20140512

(…)夜、帰りの遅れた馬力が、紙で囲った蝋燭の火を花束のように持って歩いた。
梶井基次郎「雪後」)



 10時にいちどめざましで起きた。小便に立ってからふたたび30分追加して眠った。あいかわらず気だるい起き抜けだった。胃が重く、頭が朦朧とした。月曜朝をこのようにむかえるのにもすっかり慣れてしまった。昼前に起きることができただけずっとマシなのかもしれない。日曜夜の過ごし方をどうにかしないといけないと思った。コーヒーを飲みながらだべる相手が必要だ。それも相応に気心のしれた相手が。英語圏の割り切りパートナーがいれば最高だと思った。英語の勉強と性欲の処理と労働明けのお祭り気分をすべて同時に満たしてくれるひとつぶで三度おいしいそんな相手。
 じぶんはときどき他人をなんらかの手段としてしか見ていないと思う。
 パンの耳(当たり!)とコーヒーの朝食をとったのち昨日づけのブログをいちから書いて投稿した。それから一年前の日記をまとめて一週間分ほど読み直した。じつにひさびさの五連休であるが、予報によるとしばらく雨降りが続くらしい。鴨川でまったりゆったり過ごすことはできないというわけである。雨降りの予報をきのう職場でしらされたとき、早くも梅雨入りしたかのような最悪の気分になったものだった。花粉シーズンのあいだいちども干すことのできなかった布団も干したいが、来週までおあずけになるかもしれない。
 頭がまだまだぼんやりするので作文は後回しにすることにして『族長の秋』の続きを読むことにした。コーヒーをいれるためにおもてに出ると、いまにも降り出しそうな雨雲がたちこめてはいたものの南の空にはまだいくらか水色の生地がところどころ透けてみえたりもして、これはひょっとするともういくらかの猶予があるかもしれないと疑われたので、数日続くという雨降りの日々と長い自宅待機の閉塞感にそなえていまのうちにすこしでも外の空気を吸っておこうと思い立ち、手早く着替えをすませケッタで鴨川に出かけた。曇り空のためにけっして暑くはなかったけれどもしかし寒いというわけでもない、ただ横っ風だけがときどき強く吹いたので長居はできないだろうなと思いながら川岸よりのベンチに腰かけたのが13時半、身体の冷えはじめた15時まで居座り書見にはげんだ。屋外での読書はたいそう心地よいが、首と肩と背中、要するに相も変わらずぼろぼろの背面に負担がかかってけっこうしんどい。鴨川に設置されているベンチがすべてハーマン・ミラー製だったらいいのに。
 家路をたどっているとぽつぽつ降りだしたのでぴったしだなと思った。鞄のなかにはいちおう折り畳み傘を入れてあったが、差すほどでもなかった。折り畳み傘はタイにわたるまえにリサイクルショップで購入したものである。タイのスコール、すごくなつかしい。Sの真っ黒なレインコートと、そのフードからのぞく金髪、これもやっぱりなつかしい。タイ・カンボジアでいっしょに行動したSと、京都で二ヶ月いっしょに暮らしたSを、別人として処理しているような認識の働きをときどき感じることがある。コンビニにたちよって飲むヨーグルトと裂けるチーズを購入した。裂けるチーズはTの大好物だった。やつが日曜日夜の薬物市場で購入するのを見てから時々じぶんも買うようになった。
 いったん帰宅したのち、雨脚の弱いうちに買い出しに出かけておいたほうがいいだろうというアレから、ふたたびケッタにのってスーパーに出かけた。いつもの食材にくわえてカップ焼きそばのUFOを購入して帰宅したが、結局食べることはなかった。飲むヨーグルトと裂けるチーズをつまみにふたたび書見にとりかかったのが15時半、17時前に若干の眠気をもよおしたので止めた。三課目三時間のノルマが頭の片隅につねにあった。
 ダンベルを用いて腕と肩と首まわりの筋肉を酷使した。終えて一息ついたところで17時45分、19時45分まで英語の勉強に励んだ。やはりDuoに掲載されている単語・熟語のたぐいがぽろぽろ虫食いになっていると思った。玄米・インスタントの味噌汁・納豆・冷や奴・茹でた鶏胸肉・水菜とレタスと赤黄パプリカのサラダを食しながらウェブを巡回し、『族長の秋』を片手に寝床にもぐりこんだ。料理の支度をしているときに大家さんから家賃の催促をされたが、あいにく手持ちがなかったので、あした支払うと約束した。
 仮眠からさめると22時すぎだった。風呂に入ってからストレッチをし、23時から0時まで英語の勉強の続きをした。ひさしぶりの文法問題集である。前回SとSkypeしたおかげか、モチベーションがほんの少しだけ回復しつつある。危機感が必要なのだやはり。
 読書に引き続き英語も三時間きちんとすませたのち、コーヒーを入れてからここまで一息にブログを書いた。そうして0時半から3時半まで「G」にとりくんだ。枚数は変わらない。断片を三つ修正した。途中パンの耳2枚とバナナ2本を食べた。
 Aさんとのやりとりで『連邦区マドリード』のみならずジーン・ウルフにもたいそう興味が出てきた。いまはFくん猛プッシュの『族長の秋』を読んでいて次はNくん猛プッシュのウルフ『波』を読もうかなと思っていたところなのでこの流れでAさん猛プッシュの二冊もばばばっと読みすすめていきたい。もうすこし本を早く読むことのできる人間だったらいいのだけれどこればっかりは仕方ない。頭のなかで一字一句発音せずには読みすすめられないし、しかもその過程でわりと頻繁に「噛む」とくる。「噛む」たびに行頭にもどって読みなおしてしまうし、場合によっては頭のなかで噛まずにすむような文の組み立てや単語の置換などを考案したりして、そんなだからいっこうに進まないのだ! 4時消灯。