20240615

 ALTHOUGH Bertha Young was thirty she still had moments like this when she wanted to run instead of walk, to take dancing steps on and off the pavement, to bowl a hoop, to throw something up in the air and catch it again, or to stand still and laugh at–nothing–at nothing, simply.
 What can you do if you are thirty and, turning the corner of your own street, you are overcome, suddenly by a feeling of bliss–absolute bliss!–as though you'd suddenly swallowed a bright piece of that late afternoon sun and it burned in your bosom, sending out a little shower of sparks into every particle, into every finger and toe? . . .
 Oh, is there no way you can express it without being "drunk and disorderly" ? How idiotic civilization is! Why be given a body if you have to keep it shut up in a case like a rare, rare fiddle?
(Katherine Mansfield “Bliss and Other Stories”より“Bliss”)



 7時ごろに自然と目が覚めた。そこからはずっと眠りが浅かった。上の部屋からコンコンコンコン床か壁をたたきつづける物音がしたので、ひさびさになかばねぼけながらも怒鳴り声をあげた(それで静かになるのだからおそらくきこえているのだろう)。夢もたくさんみたのだが、すべて忘れてしまった。ひとつ印象深いものがあったはずなのだが、起き抜けにメモをとるのを忘れている。
 10時前に活動開始。トースト二枚と目玉焼きふたつの朝食。11時半から15時半過ぎまで「実弾(仮)」第五稿作文。シーン51、無事片付く。シーン52も通した。そのまま完成までもっていきたかったが、途中でちょっと力尽きてしまった。
 作文中、R.Uくんから質問。おそらく日本語四級試験の過去問。フローベールの描写について書かれている文章だったので、こんなもんが出題されるのかちょっとびっくりした。しかしそこで設けられている四択問題は例によって悪問。K先生もたびたび苦言をていしているが、出題者の日本語能力ではなくそもそもの国語能力の疑われるような問題が、四級試験の読解問題には多すぎるのだ。おれに問題作らせろよとマジで思う。
 老校区の快递でコーヒー豆を回収。今日も気温は35度以上あって死ぬほど暑い。今日は英語の四級試験および六級試験の実施日であったらしく、試験会場となっている建物周辺はロープで立ち入り禁止になっていた。現役生のモーメンツもわりとその話題一色。第五食堂で打包。
 帰宅後、メシ食いながら『地獄の警備員』(黒沢清)を最後まで鑑賞。エンドロールに演出助手として青山真治の名前がクレジットされているのを確認。オープニングのあと、石畳の道をその石畳以外なにものも映すことなく(電柱や車などその道の具体的なサイズを感じさせる比較対象を置かず)ほぼ真上から俯瞰でとらえた画面を——そのためにボードゲームの盤面みたいにみえる——を、主演の久野真紀子(ちょっと石原さとみに似ている)が左方向から斜めに横切っていくカットにまず痺れた。
 松重豊に殺害された内藤剛志の詰められているロッカーから血があふれだすのを発見した警備員が、そのロッカーの扉をあけた次の瞬間にすぐに閉めてしまう演出にも、おお! と思った。あれ、ふつうの映画だったら、扉をあけて腰を抜かす警備員→ロッカーの中身というかたちでカットをつなぐと思うし、そうしたクリシェに対して多少なりとも批評意識をもちあわせている人間であったとしても、あれほどはやくドアを閉めさせはしないと思う、もうすこしなんらかのリアクションをはさませようとするんではないか。
 あと、会社の給湯室でコーヒーを淹れる場面で、『回路』の序盤にも出てきた透明なビニールカーテンが画面に映ったので、黒沢清のほかの作品はどうだったかなとちょっと気になった。
 ベッドで30分ほど仮眠。チェンマイのシャワーを浴び、きのうづけの記事の続きを書いて投稿し、ウェブ各所を巡回する。1年前と10年前の記事を読みかえしている最中、三年生のC.Mさんから微信。すいかを買いすぎてしまったのでお裾分けしたい、と。すでに22時をまわっていたし、いくらキャンパス内とはいえうちの寮まで来てもらうのもアレだったので、だったらこっちが女子寮にむかいますと返信。それでケッタにのって女子寮へ。到着したところで電話をかける。門前にあらわれたC.Mさんは水色のシャツに黒のミニスカート、つまり、タイの女子高生の制服を着用していた。ここ数年、日本のJKファッションに次ぐレベルで、タイの制服風ファッションを着用している女子学生の姿を見る機会が増えた。ビニール袋を受け取る。なかにはパックが入っており、そのなかにカットされたすいかが山ほど盛られている。今晩中に食べてくださいというので、この量を? マジで? と思ったが、帰宅後、なんだかんだで全部たいらげてしまった。食っているあいだ『WiLd LIFe』(青山真治)を少しだけ観た。序盤から冴えている。

 ギターをちょっとだけ弾く。懸垂の合間に今日づけの記事を書く。ヨーグルトを食し、二年生のT.Uさんの作文を修正して返却し、寝床に移動後はThe Habit of Being(Flannery O’Connor)の続きを読みすすめて就寝。今日はベートーヴェンを終日流していた。イザベル・ファウストの大公トリオとアルバン・ベルク四重奏団弦楽四重奏曲第14番&第15番。