20130521

 ――わたしは、もし一つの作品がただ一人の人にしか共感を与えないとしても、その一人が本当に感動するのなら、それも許されると思うんですの。
福永武彦「未来都市」)



12時半起床。引き戸が修理されている。こちらがねむっている間に顔もしらない大工が合鍵で勝手に部屋に入ってきて勝手に修理して勝手に出ていったものとおもわれる。
保険会社から電話。自転車の修理代は満額出る。タクシー代も満額出る。パーカー代とTシャツ代にかんしては半額ほど。ずいぶん以前に買ったものであるから経年劣化うんぬんでほとんど補償など出ないものと見込んでいたのでこれはうれしい誤算。
13時半より19時前まで発音練習&瞬間英作文&音読。音読が初心者用のテキストを使っているにもかかわらず想像以上にむずかしい。むずかしすぎると眠気を催すという悪循環。
たとえば興奮しているという状態をあらわすのに英語ではbe excitedと受動形を用いる。感情は自発的に発生するものではなくておしなべて外部からの誘因ありきでひきおこされるものだと英語は考える。ドゥルーズいうところの情動affection。
夕食・ウェブ巡回・仮眠・入浴。23時過ぎより2時前までふたたび音読。2時より3時半まで「邪道」作文。集中できず。面倒くさがらず薬物市場かネコドナルドで作業すればよかった。
数ある選択肢の中から何かひとつを決断するというのはたぶんまやかしで、じっさいには選びとられたそのひとつの選択肢以外のものをわれわれは選びとることはできない。ありとあらゆる道は一本道であり分岐点などひとつももたない。われわれが往々にして決断と呼びならわし理解しているものは、結局のところ、それを選ぶほかない道のりにたいするある種の諦め、納得、覚悟のことをいうのだろう。