2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

20240430

私は書き手の意図——ひいては人間が思考する意図——はたいしたことではないと思っている。小説があらかじめ想定された書き手の意図の範囲内でおさまってしまったら、小説は人間の思考の範囲の中でおさまってしまう。 (保坂和志『小説の誕生』 p.399) 6時15分…

20240429

人間は動物のように自分の肉体と直接(無媒介に)関係を持つことができず、言語という媒介を通してしか自分の肉体と関われない。言語とは制度だから人間は必然的に制度が規定する枠内でしか、制限つきにしか自分の肉体と関われないということになる。 小説、…

20240428

言語(思考・論理)というのは形式として矛盾なく構築されていると内容まで正しいことになってしまい(つまりそれが「制度」なのだ)、その根拠を辿っていくと、因果律や排中律などアリストテレスやカントが列挙したいくつかの原則に行きあたるのだが、それ…

20240427

石川忠司との対談の日の候補が最初八月十一日と十八日の二日あがっていて、結局石川忠司の希望で十八日になった。十一日の夜遅く、私は便秘がひどい十八歳になる家の猫に月に一、二度飲ませている液状の下剤を飲ませたのだが、最近はあんまり効かなくなって…

20240426

だからどうだって言うんだ? そんなことは知らない。 「だから」と思考を急いで統合しないで、しばらく考えが出てくるのに任せよう。「だから?」と言われたら、「そんなことは知らない」だ。人間はただ単線的に成長(進歩)して、成長(進歩)した知性から…

20240425

人間(人間観)とは自分を取り巻く自然(自然観)世界(世界観)の一環であって、自然や世界に対するイメージが機械論的に緻密になると人間についてのイメージも同じように緻密になる。私たちは日常的に接しているものから思考のモデル——または、モデルの前…

20240424

『ディアーナの水浴』を繰り返し読みながら、この疑問が「解けた」とは言わないまでも、ひとつの回答が与えられたというか、疑問に対するアプローチが生まれたというか……。問いというものは、そのようにいろいろなアプローチが生まれていく過程でたぶん問い…

20240423

小説というのは何かが時間とともに展開することであって、その展開は中原昌也の小説のように唐突に、暴力的に途絶えたりもする。「途絶える」ということは時間の中でしか起こらない。流れるべき時間が途絶えるということは、「流れるべき時間がある」という…

20240422

作品は作品で、いろいろなものを作品という統一体に束ねていく過程でひじょうに大きな労力を必要とする。それは私自身『カンバセイション・ピース』を書きながら痛感した。しかし、作品という統一体にするために、意識的と無意識的の両方で切り捨てたものが…

20240421

次の引用は『ゴダール全評論・全発言Ⅰ 1950-1967』(奥村昭夫訳)の中で、ゴダールが『勝手にしやがれ』(一九五九年)を撮影する前後ぐらいの一九五八年に、アレクサンドル・アストリュックという監督が撮った『女の一生』という映画について書いた文章の一…

20240420

現実に存在している人間というのは、いくつもの面を持っていて、私たちはその人に対して実際のところは統一したイメージを持つことを放棄していて、何か事があるたびにその人との経験からあらためてその人のことを考え直すという風にしているのだが、現実の…

20240419

宇宙というとき私たちは、宇宙の中にふわふわ浮かんでいるボールのようなものをイメージしているだろう。しかし宇宙というのはそんなものではない。ではどういうものが宇宙のイメージか? 宇宙は私たちが地球儀みたいに視覚像を持てるようなものではない。視…

20240418

空間、空気といったものは、それに馴れていない人間はすぐにその異質さや特殊さを感じることができるけれど、馴れている人同士のあいだでは言葉としてうまく言うことができにくいし、そういう空間や空気であることをつい忘れてしまう。 (保坂和志『小説の誕…

20240417

前回、名前を出した荒川修作が考えていることを私が理解している範囲で、ごく大ざっぱに書くとこういうことだ。 「生き物は空間との関わりによって、形と動きを作り出される。だから、虫は虫で空間との関わりに応じてそれぞれいろいろな形になったし、鳥や魚…

20240416

たとえば、信仰というのは、その人が信仰するシャカやキリストやマホメットの言葉に寄りそって生きることで、自分自身では言葉を残すことのできない人たちも不死性を得られるということなのではないか。私を構成しているのは他の人たちによって語られた言葉…

20240415

たとえば能や狂言などの伝統芸能は、個人の個性ではなくて、伝統芸能としての動きを継承することが優先される。連綿と受け継がれてきた動きが最初にあって、それによって精神が生まれてくるその世界にあっては、個人は伝統芸能を形あるものとする媒介のよう…

20240414

時間の中での出来事というと、ひとつに因果関係がある。しかし私は因果関係というのがどうも胡散臭くて仕方ない。ニーチェもどこかで「なぜ、原因と結果に分けて考えたがるのか。原因-結果はひとまとまりの出来事である」という意味のことを書いていた。 人…

20240413

小説と彫刻は「同じではない」とか「いや、それでもやっぱり同じところはある」とか、そういうこと以前に、小説と彫刻を同じ基盤に置いて問いを立ててみる人が、文章に関係している人にはほとんどいないみたいなのだ。小説は文章=文字によってできていて、…

20240412

「純文学」「エンタテインメント小説」という区別はおかしいとか意味がないとか言う人がいるけれど、「文学とは何か」という問いのある・なしで、二つは厳然と区別される。 (保坂和志『小説の誕生』 p.155) 8時半起床。寝不足であるはずなのだがふしぎと疲…

20240411

作者体調不良により、本日の「レプティリアンMのアイアムゴム人間」初回はお休みさせていただきます。ご了承ください。 11時起床。きのうは寝たのが6時をまわっていたと思うのだが、全然眠気がなかった、自然とこの時間に目が覚めた。睡眠中も鼻詰まりのせい…

20240410

作者体調不良により、本日の「荒俣・M・宏のめくるめく偽書の世界〜オノレ・ド・チョコザップ『ゴリ子婆さん』編(4)」はお休みさせていただきます。ご了承ください。 汗だくになって目を覚まし、もうろうとしたあたまで服を着替えてからふたたび寝床にもぐ…

20240409

作者体調不良により、「カナビスMの『失われたパケを求めて』」第14回はお休みさせていただきます。ご了承ください。 朝方、ぶっ倒れた。6時ごろだったろうか、一度目が覚めたので白湯だかポカリだかを飲んだのち、もう少しだけ眠っておいたほうがいいかなと…

20240408

作者体調不良により、本日の「ロベルトMのシャーマニズム仮想通貨宣言!」第351回はお休みさせていただきます。ご了承ください。 きのうづけの記事に書いたとおり夜は地獄だった。夜は熱があがる。しかも薬の効果が切れる。そういうわけで夜中から朝方にかけ…

20240407

作者体調不良により、本日の「アンゴルモアMの『ノストラダムスはなぜババヴァンガを殺さなかったか?』」第459回はお休みさせていただきます。ご了承ください。 きのうづけの記事に書いたとおり、たぶん17時間ほど寝た。第五食堂で夕飯を打包したのが17時、…

20240406

作者体調不良により、本日の「バビロンMの世紀末ホロスコープ〜アカシックレコードのささやき〜」第1675回はおやすみさせていただきます。ご了承ください。 寒気でいちど目が覚めた。毛布をかぶって二度寝。次に目が覚めると10時過ぎで、のどは痛いし咳は出…

20240405

ルーセルの小説は全体としてひとつの意味を醸し出すような書き方ではなくて、書かれている事物のひとつひとつを押さえていくことを読者に要求する書き方だ。 小説というのはふつう、全体としての意味が背後にあって、それが読者全員に共有されるようになって…

20240404

私は、文学に関して「新しい」ということはもうありえないし、それを目指すべきではないといつも考えている。前にも書いたことだが、ヌーヴォー・ロマンまでつづいてきた「新しさ」「文学の変革」というような概念は、工業製品と同じように技術革新がなされ…

20240403

小説は、深刻なものを深刻一色に、悲しいものを悲しい一色に書くのは簡単だけど、それでは書いている本人がつまらなくて、そんな書き方をしていたらバカになっていくような気がしてくる。どうしてそういう風に思うのかの説明を自分でもつけられないが、とに…

20240402

新しくなければ→古い。 良くならなければ→悪くなる。 希望がなければ→絶望する。投げやりになる。 これら対になっている発想が単純すぎるに違いないのだ。これらは言葉の性質から生まれた、言葉の中の秩序であって、言葉の秩序が世界に対応しているとは限ら…

20240401

ところが私が小説について考えていることは、視覚による理解の拒否だ。小説の流れを時間軸に落とし込んで視覚化するとわかったような気になるけれど、それで小説を読んだことにはならない。小説を理解したいと思うなら、自分も含めた身近な人間を時間軸に落…