20130901

労働。いよいよ明日に沖縄行きがせまっている。どうしたものか。こちらからは折れたくない。ただ昨日の時点ですでに(…)がこちらにすりよってきているらしいいくつかのきざしはあった。そうこう考えながら帰宅すると、まるで何事もなかったかのようなていで彼女に迎えられたので、たじろいだ。(…)の姪っ子(二歳)の舌足らずなハローとアチューをスカイプ越しに耳にする。夕食。とことん饒舌な(…)。それでいてこの二日間についてはいっさい触れることがない。沖縄を前にしてなにかをわりきったあっけなさのように見える。沖縄からの帰還後はカフェで毎日ボランティアとして働くことになったらしい。先日の議論の際にわたしたちに残された時間はわずかしかないのよと言ってみせたのは何だったのか。とはいえ、じぶんの時間がどこにもないと主張してはみたもののこうなればこうなったでいくらかなりと複雑な気分になってしまうこちらの心情もまたけったいなものではある。香港から来日している二人組を接待する必要のある(…)さんに通訳をたのまれていたのだが、流れた。シャワーを浴びて部屋にもどると照明はすでに落とされており、キャンドルに火がともされ、(あくまでも(…)主観による)ロマンチックな楽曲がPCからYouTube経由で流れていて、そうして白いシュミーズをいちまい身につけただけの(…)が布団の上に寝転んでいた。これは端的にいってセックスの合図なわけだが、はっきりいって全然興がのらないというか、なにかこう、とりあえずセックスして仲直りみたいな打算の透けてみえるその感じが気にくわないというか、おめー結局沖縄のためにひとまず仲直りしておくかみたいなアレじぇねえのみたいな、おれを見くびるなよと、このおれの怒りがその程度の色仕掛けでどうにかなるものだと思うなよと、そういう腹にすえかねるアレがあったものだから、とっくにお流れになっている(…)さんの一件をもちだして部屋を抜け出し、またもや(…)に出かけた。コーヒーを飲んだ。(…)さんとしゃべった。(…)さんとしゃべった。(…)さんとじっくりしゃべった。部屋を出るまえにPCのブラウザを前にしてぼうっと椅子に腰かけていると、布団に寝転がっていたはずの(…)がおきあがってこちらのとなりにくるなり頬にキスをし、それから耳元でラブユーとささやき、元いた位置にもどった。ラブとはいえねえなやっぱり。ケンカのあとの仲直りって、日本人カップルの場合だとどちらかがしおらしくなってなにやら重々しく切りだすというのが解決にむけたひとつの流れであるように思うのだけれど、西洋ってのは案外こんな感じなのかもしれないなと思った。どこか冷たい明るさのような印象を受けなくもないけれども、これが本気のすりよりなのかもしれないなと、打算のようにみえるこれが誠意のかたちとして最上級のものなのかもしれないなと、そんなふうに想像を働かせてもみたが真相知れず薮の中。他人の底意を泳ぎわたる。