20130328

 一番ヒドい奇行は(笑)、いや、いろいろありますけど、(少年マガジンの)五十嵐記者のチンチンにラー油を塗って病院送りにしたり、バーのカウンターの上でウンコができるかという話になって、「オレはできる」といって、本当にしようとしたことがあって。肛門が盛り上がってきたんで、あれは、さすがにわたしも止めましたね。ほかにお客さんもいるし。

 2人でホモってみようとしたこともあるんです(笑)。ホモっていうのもいいんじゃないかということになってね。ホモになったらスケベ根性が直るんじゃないかというのが発端だったんですけど。あんまりスケベでもよくないなと思って。よく考えたら、ホモの世界でもスケベになるかもしれないんですからね。結論がまず、間違ってたんですよ。

 西サモアに2人で旅行に行ったこともあります。広告代理店が南の海を盛り上げようとして、我々を行かせたんですね。で、ある村に着いて、夜になったら夜這いがあるといわれて。夜這いといっても、サモアですから、来るのはデッカい女の人なんですよ(笑)。寝床のそばに人が通るとミシッ、ミシッという音が鳴り出したんです。赤塚さんは寝返りを打って、薄目で音のする方を見たら、それはね、犬だったんですよ。その犬は次にわたしの方に来て。朝になって、赤塚さんが何を言い出すかと思ったら、昨日の夜、犬のお面をつけた女がわたしの寝床に行っただろうって、とんでもない妄想に発展してるんですよ(笑)。あれは女だ、女じゃないって、2人で言い合ってたら、その犬が目の前をスーっと横切っていったんですけどね(笑)。

 病院に運び込まれた時は目も開けなくて、口も開けなかったんですよ。それで、わたしが集中治療室に行って、ずーっと、目を開けろ、目を開けろって心の中でいってたんです。いまでもよく覚えてるんですけど、そうしたら、パカッて口が開いたんです(笑)。医者も「あ、口が!」って(笑)。

以上すべて『赤塚不二夫トリビュート 四十二才の春だから』付録のライナーノーツ「タモリさんに訊く 赤塚不二夫のこと」より引用。このアルバムは参加してる面子が何気にけっこうツボだったりする(HALCALI電気グルーヴ×スチャダラパーランキン・タクシー×why sheep?、EYE with KABAMIX、HAIR STYLISTICSECD矢野顕子……)。ついでにタモリの悼辞を読み直したくなってネットで検索して見つけたのだけれど、以下のくだりとか本当に見事だと思う。意味と因果から逃れた先を《異様に明るく感じられます》とするこのセンス。

あなたは生活すべてがギャグでした。ギャグによってものごとを無化していったのです。あなたの考えは、すべてのできごとを前向きに肯定し受け入れることです。それによって、人間は重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また、時間は前後の関係を断ち放たれて、そのとき、その場が異様に明るく感じられます。それをあなたは見事にひとことで言い表しました。すなわち「これでいいのだ」と。



12時半起床。14時より「A」推敲。20時半までぶっ通しで作業をこなし無事にプリントアウトにまでいたる。ひさびさに尿意が消えるほどの集中力を発揮した。この二日で完全に神経が摩耗した。くったくただ。もうなんもできん。そのくせ頭は完全に覚醒している。気が立ち、連想経路がささくれだっている。知覚がグラグラ煮え立って落ち着かない。ゆえに平日(すなわちわが休日)にもかかわらず(…)を呼ぶ。飯を食いにいく。やよい軒。ぜんぜん美味くない。金の無駄だ。自室で朝方まで酩酊し続ける。これでもって何かにケリをつけた気分になる。
400字詰原稿用紙に換算したときの枚数を計算するのにいつも用いていた20字×20行のフォーマットが実際は19字×20行であることが判明した。どうやら設定をあやまっていたらしい。このためおよそ200枚程度だと思っていた「A」がじつはたったの187枚しかないという事実が判明した。すごく短い。ついでに「邪道」も正確には439枚であることが判明。こりゃ700枚も必要ないかもしれない。600枚あれば十分おさまるかな。