20130618

 人々の行為などをやめさせたり、始めさせたり、変えさせたりするために必要と思われることを他人に対して行なう権限を何らかのグループにもたせたいと思うなら、精神科医ほど適任のグループはない。そのような深い権限を私たちが精神科医に与えているからと言って、精神科医を責めてはならない――とりわけ、期待通りにその権限を行使するためには、その権限を絶えず日常的に行使する必要があるという場合にはなおさらそうなのである。
R・D・レイン/中村保男・訳『レイン わが半生』)



11時起床。長々とブログ書く。14時より発音練習&瞬間英作文。作業のお供として洗浄を終えたばかりのエアコンをさっそく起動したのだけれど、設定温度を28度にしているにもかかわらず冷えすぎるというか、これ冷え性まっしぐらですわというくらい裸の足がつめたくなって仕方なかったので結局消して、そんでもっていつものごとく扇風機を起動した。エアコンは奥の手だ。切り札だ。奥義だ。まだ出る幕ではない。
不意に散髪をしようと思いたち近所にあるオープンしたばかりの美容院に出かけることにして、例年ならば盆と正月の帰省時に地元で美容師をやっている(…)に切ってもらうことになっているのだけれど、盆まではまだもう少し時間があるし、というかそもそも(…)が八月いっぱい滞在するとなると盆に帰省できるのかというアレもあって、両親は歓迎ムードだし(…)も乗り気であるしなんだかんだいって連れて帰ることになりそうではあるけれどもそれにしたところでそれじゃあ(…)といっしょに(…)やら(…)やらと例年のごとく集まって川に行って泳いだりするのかといえばそれはちょっとあやしいというか、(…)に散髪してもらうタイミングだってよくわからないというそういう見込みあってそれじゃあたまにはきちんと自腹切って京都で散髪するかと、そういう流れでむかった美容院だったのだけれど絶賛定休日で、(…)がこの間とてもひさしぶりに坊主頭にしたこともあってこちらもその流れにのっかって短く刈りこんでやろうかと、そう決意したところにこの定休日だったものだから一気に決意が鈍る、ということもないようなあるような、よくわからないけれどいまのところは明日出直すつもりでいる。
美容院が閉まっていたのでその足で整骨院へむかい、首をもみもみしてもらい、帰宅し、腹筋と腕立てをこなし、夕餉をかっ喰らい、入浴をすませ、それから湯冷め覚悟でPC片手に(…)に出向き、『レイン わが半生』の抜き書きを延々とこなした。これでいちおうたまっていた分の抜き書きすべてを終えたことになる。P.239〜247にかけて長々と記述されている「ナン」にまつわるエピソードがすばらしく興味深かったが、あまりにも長すぎるために抜き書きする気にはなれなかった。割愛。一年後この日記を読み返すさいに面倒くさがらずダンボールの中から書籍を取り出して該当箇所を読み返すこと。と、未来のじぶんにむけてメッセージを刻んでおくこの無自覚的なふるまいから、一年後のじぶんもやはりまた読み書きするじぶんでありつづけているという見当を有するいま現在のじぶんの見通しを知る。英語と小説の間をとって、一年後には洋書をガシガシ読んでいるじぶんであってほしいもんだ。あるいはそのころには心不全でとっくに死んでいるかもしれないが。神を相手どった一世一代のギャンブルに伸るか反るか生きるか死ぬか。
英語の勉強にいまひとつ乗り気になれない気がするのはどうしてだろうかと思ってよくよくふりかえってみたところ、木曜日は夕方から(…)にバイクを出してもらってコーナンに行ったりしていたので夜の部の勉強はなし、金曜日も翌日のバイトに備えて早寝する必要があったために夜の部の勉強はなし、土日は12時間の奴隷労働なのでやはりまともに勉強できず、きのう月曜日はエアコンとの格闘に一日が費やされ、今日は今日とてやはりまた抜き書きのために夜の部の勉強はなし、と、こうしてみると都合6日間連続でまともに勉強することができていないわけで、みっちりきっちりやりきった一日特有の疲れのない手応えに欠ける日々をかれこれ一週間も送っていると虚無感のようなものにとりつかれてなんでもかんでもやる気が出ないと、こういう精神状態はたとえば小説の執筆を野暮用によって長らく中断された際なんかにもよくあったような気がするけれど、じぶんのワーカホリックというやつは結局ランナーズハイ的な脳内麻薬の分泌を求めてのもんだったんではないかとか、あるいは脳みそをぎりぎりまで酷使することでしか精神を安定させることができない異常神経の持ち主なんではないかとか、パッションやストイシズムと見なされ呼ばれているものも要するに生理学的な要望を満たすためになされる生物的な反応でしかないんではないかと、そういうふうに思わないこともないというか、そんなもん別になんだってかまいやしないのだけれどとにかく、悪い流れにある場合にはその流れに真っ向からぶつかる別の流れを呼び寄せてあらたなうねりをつくりだす必要があるために昨日の晩あたりからパソコンを起動している間はずっとスカイプにログインするようにしているのだけれど(…)は不在で、彼女とチャットするなり電話するなりすると必ずやばい!このままではいけない!と身のひきしまるところがあるというかほとんど脅迫性といっていいモチベーションを獲得することができるのだけれどそれさえかなわぬこの二日間で、そういえば先日電話したとき(…)は荷造りの最中で月末にタイに出かけるまで母親の住居に居候するみたいなことを言っていてそのさいにこのタイミングであなたとコンタクトをとることができたのは幸いだったわみたいなことを言っていたから、たぶん母親の住居にはネット環境がないのだろうと思われる。残すところ一ヶ月半。この半月はちょっと怠慢にすぎたように反省される。