20130703

12時過ぎ起床。13時過ぎより19時まで発音練習&瞬間英作文。整骨院に行って生鮮館に行って筋トレして夕食の支度して、というところで玄関の戸を叩く音がし、こちらが出向く前に引かれた戸のむこうには(…)さんの立ち姿、やっ、とあって、なんとなく予想通りだったのは、戸の叩き方がまず大家さんのやるような固めた拳で力いっぱいバン!バン!バン!とやるのとは違って、ほとんど聞こえるか聞こえないかの穏やかな叩き方だったからで、それでいてこちらが出向く前に戸をみずから引いてしまう唐突さに(…)さんらしさというべきなにかしらがのぞかないでもなく、と、ここまで書いたところでこれ「偶景」に採用できるじゃんとすごくひさしぶりに思った。小説、もうずいぶん書いてない。(…)さんからはまたもや高級和牛弁当をいただいた。これ前回(…)がうちに来たときにわけてあげたのだけれどやばいうますぎると絶賛していて、実際ほんとうに美味いのだ。デパ地下でのバイト、こういうボーナスがあるのだったら全然わるくないなと思うけれど、まあじぶんの身なりだったら無理だろうな。耳にでっかい穴あいてるし、ヒゲだし。それで結局またもや性産業に落ち着くというわけだ。AV店→ラブホと来ているのだし、次はいよいよ(…)さんにならって風俗のボーイになるしかないのかもしれない。それでもって黒いつながりにますます包囲されていくわけだ。別になんだっていいが。クソみたいな経験もきちがいじみたエピソードも狂った思い出も、いずれは小説家としてプロデビューした際に作成されることになるじぶんのウィキペディアの備考欄とか挿話欄みたいなところで羅列される一行ネタとして閲覧者の笑いを誘うに足るものになると思えば、まあぜんぜんやれる、もっともっと危ないところまで踏みこめる、棒にふった人生なら棒にふった人生らしく、もっともっと遠く、的外れに、ちからいっぱい踏み外してやらねばならぬ、この生をひとつの実験として遂行しなければならぬ。声を持たぬひとびとがひしめくほのぐらい底辺に、声を言葉に翻訳する能力だけが取り柄のじぶんがおもむくこと、そこにひとつの妙味があるはずだ。むろん代弁の正義感などでは決してない。
22時よりふたたび瞬間英作文。23時半時点で一区切り。考えてみたらあともう三週間もない。とちゅうで余計な寄り道をいくつかしてしまったこともあるけれど、こう考えてみるとやはりぜんぜん時間が足りないな。とりあえず残り期間は瞬間英作文と、あとはずいぶん頭から抜けてしまっているDuoの復習、このふたつに費やすことに決めた。特に語彙の少なさが深刻なので、せめてDuoに掲載されているレベルの単語だけでも、「使いこなす」ことのできるぐらいのアレで身体に叩きこんでおきたい。
昨日からブログのトップページにアレな告知を載せているのだけれど、勉強を終えてからメールボックスをチェックしてみると、早速一通「『きのう生まれたわけじゃない』編集長 御中」というすごいタイトルのメールが入っていて、これ最初知人かだれかが冗談半分で送ってきてくれたのかなと思ったのだけれど、開封してみるとそうではなくて、読者(という言い方をするのはなんかすごくためらいがある、小説だったらまだしもこのブログのてけとーさに「読者」という語の重みはあまりある気がする』)の方で、告知をのせておいてこんなこというのもアレだが、まさか本当にリアクションがあるとは思ってもみなかったのでびっくりした。しかしものすごくありがたい。いただいたメールにはCouchsurfingというウェブサービスが便利だから参考にしてみてはどうですかということが書かれており、これ返信メールにもそう記したのだけれど、本当につい先日、昨日だか一昨日だかにじぶんも知ったばかりのウェブサービスだったのですごいシンクロだった。ただ、SNS的なアレがどうしてもじぶんには苦手なところがあって、世代的にはドンピシャなはずなのにmixitwitterfacebookも、あとは2ちゃんねるなんかに代表される掲示板文化にもどうもいまひとつ乗れなくてその結果こんな辺境で毎日ぐずぐずやってるといえなくもないんだけれど、しかしながらこれもひとつの縁ではあると思ったというか、あたえられたものをすべて受け止めてみせる受動的態度の面白味はなにかといえばじぶんの志向/嗜好/指向の範囲外にある何事かに触れることができるというその一点にほかならず、ゆえにこのCouchsurfingもオプションのひとつとしてしっかり受け止めることにした。具体的にいえば、今後(…)さんが「◯◯に行ってみたい!」と具体的に希望を述べることがあったときになど、このサービスを利用して目的地付近で泊めていただけるお宅はないかサーチしてみるとか、そんな使い方はアリだろうと思う。
深夜1時を前にしてジョギング。小雨の降る中、ゆっくりと走った。前回からジョギングのおともにiPodを連れ出すようにしているのだけれど、悪くない。ジョギングをはじめたばかりのころに何度か連れ出してみたことはあるのだけれど、そのころはまだ今よりずっと体力がなかったから走るのにただただ精一杯で、コードのぷらぷらする感じにせよイヤフォンのごそごそする感じにせよ、すべてがわずらわしくてしかたなかったし、それに夜道など特に曲がり角から来る自転車に気づかないことがあったりしてこれ危ないわってことでとりやめにしていたのだけれど、それ相応にジョギングという行為に慣れ親しんできた今、走りながら音楽聴くのも悪くないなと思わないでもないというか、英語の勉強をはじめてからというもの音楽を聴く時間がめっきり減少してしまっているので、せめてこの一日おき夜道の30分だけでも音色にしずみこんで窒息したいという思いがある。
汗だくで帰宅。風呂場にむかうとまたもや大家さんから声をかけられ、下駄の足音で起してしまったのかもしれないが、今度こそ(…)さん滞在について何かいわれるのかと構えていたところ、最近アパートの敷地内に出入りしている野良猫についての話で、たしかに夜など洗い物をしたり歯磨きをしたりしているとやたらと猫の姿を見かけることがあり、それもずいぶん人慣れしているようすでなかなか逃げず、これひょっとして住人のだれかが餌付けしているんでないかと、なんかそういえば以前こんなことをブログに書きつけたことのあるような気もしてきたが、いずれにせよ事実そのとおりだったようで、(…)さんという名前を大家さんはあげたのだけれどこれはドキュメンタリーを撮っているいつもの(…)さんとは別の(…)さんで、ここの住民らしいのだけれどじぶんはまだ一度も会ったことがない、ということもなくって先週だったか、あれ?こんなひと初めてみるぞ?みたいな坊主頭にめがねの男性と水場付近ですれちがったことがあるのでおそらく彼が(…)さんだと思うのだけれど、その(…)さんがどうも猫に餌をやっているらしいと大家さんはいう。便所の扉のあたりに小皿が置いてあるのを見つけた、その前に野良猫がちょこんとすわってなにやら待っているらしい姿も見かけた、スリッパを片方投げつけてやったが逃げようとしない、もう一方を投げつけてやったらようやく逃げた、と、だいたいそういう話があって、まあ明日にでも(…)さんにいうさかい、とこちらに報告する口調がいかにも、おまえが野良猫被害を口うるさく訴えるのであるからしかたなくこちらも動いてやりますよみたいなアレだったので、ちょっと笑った。まあ(…)さんみたいに猫が好きひともおるかもしりませんけどわたしゃ嫌いですわ、台所においてある魚とってくんやから。そういいながら大家さんはふたたび寝床の中にもぐりこんでしまった。