20130720

6時半起床。8時より12時間の奴隷労働。労働を待ち遠しく感じたのはうまれてはじめてかもしれない。部屋にひとりでいたところでそわそわして何にも手につかないだけだから。(…)さんが全然仕事をしない、あるいは全然仕事ができないという話にまたなったので、もしそれが(…)さんの勘繰りどおり以前のごとく二勤二休制に戻してほしいという(…)さんなりのアピールなのであるとすれば、ここで妙な恨みを買ってもつまらない話であるし、こちらとしてはもう手を引いてもいいと、二勤二休に戻してもらってもかまわないと、ただしいまさらシフトを増やす気にもなれないので求人広告を打ってもらってこちらの跡継ぎを探してもらうという手間ひまをかけてしまうことにはなるが、と、だいたいそんなふうに切り出すと、それはおかしい、そもそも前にもいったがおれは二勤二休というシフト自体がまず鬱陶しかったのだ、この制度を壊したかったのだ、曜日でシフトを固定したほうが発注などの業務は断然スムーズにいくに決まっているのだから、だから現状のシフトはおまえの希望というよりはむしろおれの希望であるのだ、それに(…)は社員だ、バイトじゃあない、社員なら社員相当の仕事を受け持ってもらわなくちゃあいけない、おまえも知ってのとおり来月からおれは二店舗分の面倒をまとめて見ることになる、となるとますますじぶんの右腕が必要になる、それはだれだ? 社員の(…)しかいない、おれ以外の唯一の社員である(…)しかいないのだ、そしてその(…)がこの体たらくなのだ、わかるだろう? だからおれは頭にきているのだ、なんならバイトのお前にそこまで気を遣わせてしまっているというその点でも腹が立つというものだ、五十のおっさんがいい加減なにをやっているんだという気持ちになってやまないのだ。
その(…)さんとは別の(…)さん、芸大女子の自転車をくれたほうの(…)さんが休憩中、(…)さぁんトラブルは解決しましたか、というので、トラブルって?とたずねかえすと、あのぉ留学生じゃなくて外国のひとが来るっていう、とあったので、ああ、あれねー、あのー、シャワーだけがね、シャワーの件って前話したっけ?はい、聞きました。あのシャワーがね、大学の施設を利用するつもりやったんやけどちょっと雲行きがあやしくなってきてね、前住んどったアパートのコインシャワー利用するかそれかもう潔く銭湯行くかって考えとんやけどね、銭湯ってほら、毎日行くとけっこうえげつないやろ、ほやからなっとかならんかなーていろいろ考えとんやけどね、この近所に住んどったら職場利用させてもらうんやけどなぁ。(…)さんってアパートどのへんにあるんですか? あのーアレ、同志社の近所。あのぉ、わたし出町柳のあたりに住んでるんですけど、もし良かったらわたしの部屋のシャワー使ってくれてもいいですよ。マジで!?いやーわたしも女の子なんでぇ、シャワーゆっくり入れないってきついのわかるんでえ。(…)さんアパートどの辺にあるん?◯◯通と××通をうんぬんかんぬん。それってぼくのアパートから近いんかな?同志社までわたしのアパートからチャリで10分で行けますからきっと近いと思います。10分かぁー。わたしけっこうほら、ここで夜中まで働いてたりしますし、あのー、それにわたし友達なんかもお風呂共同のところに住んでるひと多くて、ほら混むじゃないですかそういうお風呂って、そういうときよくわたしのところにシャワー浴びに来たりするんですよぉ、だから全然オッケーですよマジで。ほんならちょっとマジで第三の候補にさせてもらってもええかな?いいですよぉ。手札が多いに越したことはないからね。うんうん多ければ多いほどいいです。
と、そんなやりとりを傍で聞いていた(…)さんから、(…)くんほんますごいな!なんでそんなにどんどん色んなひとが助けてくれんの!と謎の讃嘆をいただいた。母曰く「人徳」。(…)さん曰く「母(父)性本能をくすぐるテクニック」。が、当事者の立場からいわせてもらうとそんなにもたいしたものでは実際マジでなく、ただ、じぶんの力だけでどうにかしようという意志みたいなものの欠落っぷりがある意味で堂に入ってしまっているそのためにこいつは放っておくと本当にダメなことになってしまう、本当に死んでしまう((…)さん)という懸念を周囲に抱かせることになり、結果、見るに見かねたひとびとが手をさしのべてくれるみたいなところが妥当な筋道なんではないかと思うけれども、いや、これはこれでちょっと違うか。とにかく色んなひとに助けてもらっているし、甘えさせてもらっている。(…)くんやったらほんまに仕事いっさいせんでもなんだかんだで食いっぱぐれることなさそうやなという(…)さんの一言に、これはひょっとして試してみる価値アリかもしれんなと思った。
帰宅後、荷造り&スケジュールチェック。さあ!さあ!さあ!い・よ・い・よ・だ!