20130819

9時に起きた。朝食をとったのち伏見稲荷に出かけた。頂上までのぼった。途中で抹茶ドリンクと抹茶アイスクリームを食べた。山をのぼりながらたくさんおしゃべりした。日本人の思うカッコイイ男やカワイイ女と西洋人の思うそれらの乖離についてが主な話題だった。すれちがう男女をいちいちひそかにジャッジしては意見を交換しあった。土産物屋を冷やかしたのち京都駅に戻り、今度は伊勢丹を冷やかした。デパ地下でスイーツに目を奪われた。(…)は母親から和柄のスカーフを土産にたのまれていたが、めぼしいものは見つからなかった。結婚をネタにしたジョークを(…)は好んで口にした。新婚夫婦を装いながら食器売り場や家具売り場を冷やかすのだった。ショップスタッフの日本語を(…)にむけて英語に通訳するのが知らぬ間に板についてきているおのれを自覚しておどろく瞬間があった。伊勢丹のあとはヨドバシカメラで(…)があらたに購入するデジカメをみつくろった。(…)はクソがつくほどがさつなので防水&対ショックは必須機能だという結論が出たのだが、そのがさつさについて冗談半分で指摘すると、それは伏見稲荷大社の中腹にあった休憩所での一幕だったが、わたしはこれでもいつもなるべくcarefullyになろうと努力しているのよとガラにもなくへこんだ様子の涙声で訴えるので、あわててフォローにまわるという一幕もあった。ヨドバシカメラを冷やかしたのちスターバックスでコーヒーを飲んだ。年内に小説を出版することにしたと告げると、(…)はおおげさによろこんでこちらの手をにぎった。あなたに会えて本当によかったと思っているわ、と彼女はいった。わたしたちはおたがいに何も求めようとしないからすばらしいのよと続けた。(…)もまた結婚願望の希薄な人物だった。しかし彼女の場合は願望自体あるにはあるのだった。ただ彼女の性格的に家庭生活は多くの困難をともなうことになるだろうと見込みをつけているのだった。となりの席に腰かけていた西洋人カップルが立ち去ったあと、さっきの男は男前だと思うとたずねると、彼氏のほうはふつうだけれど彼女のほうはとても魅力的な身体をしていたわねと微笑んだ。同感だった。アパートに戻ってから食材を買い出しにフレスコに出かけた。(…)さんの働いていた和食屋の大将に出くわしたので(…)を紹介した。帰宅してから遅い夕飯をとった。すでに0時だった。イチャついた。ことが最後の段階におよぶ以前に(…)が果てたので結果的におあずけをくらった。次回からは前戯と本番の順序を入れ替えようということになった。あなたはいったいどんなふうに指を動かしているのと真顔でたずねるので困惑した。声が漏れてしまうなんてはじめてだともいった。ボーイフレンドのセックスはテリブルだと語ったのはまた別の日だった。大笑いしながらもうロンドンに帰りたくないわというのでこちらも笑った。あなたにはライティング以外にもうひとつ特別な才能があるのよと彼女は真剣な顔つきで語った。きみの身体が感じやすいだけじゃないかというと、大半の男のセックスがいかに退屈でつまらないものかを、数多くの実例をあげてまくしたてるのだった。陣痛がはじまったので兄嫁が入院したという電話があったのはフレスコで買い物をしているときだった。それから数時間を経て無事に産まれたと母親からメールがあったので、寝床についている(…)を置いて近所のコンビニで飲み物を買った帰り道に電話をかけて様子をたずねた。メディテーションセンターからの連絡はいまだに来ていない。