20130912

11(水)
ロフトで買い物。ケーキ食って鴨川で寝転がり読書。笛を吹いてたラスタなおじさんからヒマラヤ登山をすすめられる。一緒にいきましょうと真顔で誘われたので、内心はぜったい嫌だ、おまえとだけはもうぜったいにどこにも行きたくないと思いながらも、次は彼氏も彼女もいないときにねと笑って応じると、とたんに不機嫌になって険悪な空気。そして口論の幕開け。曰く、わたしがヒマラヤ山頂に立って景色をながめているビジョンを見たときそこにはあなたとわたししかいなかったわ、ほかの誰かなんて気配すらなかった、それなのにそんなことをいうのね!とかなんとか。ほとんど言いがかりに近いぶち切れ方にたいへん腹が立ったので、おまえそもそもただの間男でしかないおれの立場を想像してみたことがあるのか、浮気相手というポジションにとどまることを余儀なくされている人間の心情をすこしでも考慮していたらまあそんなキレかたはできないわなと、相手にお灸をすえるべくこれっぽちも不満を抱いているわけではない現状を持ち出してじぶんがいかに日々完全無欠の無配慮を貫きとおしているか滾々と諭しにかかると、涙を流しながらごめんなさいという。(…)が正面切って謝るのはきわめてめずらしい。この二ヶ月内に一度あったか否かという按配である。めずらしくこちらの言い分をのみこんだというわけであるが、口論の余韻をひきずっておしだまりがちな帰路に立った途端、あなたはもっとわたしを気遣うべきよ、やさしく接するべきよ、わたしが泣いたんだからやさしい声をかけるべきよと、いったいどの口でそんなことがいえるんだというほとんど逆ギレとしか思えないいつものどんでん返しをここでもまた性懲りもなく発するので、クソあきれて言葉も出ない。ゆえにセックス拒否。
 
12(木)
朝から(…)が隣人とその友人や親族を部屋に招いてパーティーをする段取りをこちらの許可なく勝手につけていたので立腹し、部屋にひとをあげたくないからという理由をつけて拒絶したそのために終日よどみがちな会話で低空飛行。鴨川で読書&昼寝。わたしこの場所嫌いよ、快適じゃないわ、の不平不満にまたキレそうになったが、こらえる。発言のひとつひとつがいちいち勘にさわる。ビブレでパッキング用のかばんを購入。ついでに書店で新潮をのぞいて新人賞の結果をチェケラしたら「A」がまたもや一次落ちの屈辱辛酸きわまりないアレで、これで群像・文藝・太宰治・新潮とめぼしいところはすべて一次落ちを喰らったことになる。というわけで覚悟が決まった。もう新人賞はどうでもいい。買い物をしたのちカフェに出かけるという(…)と別れてひとりで部屋にもどり、BCCKSでひたすら「A」の編集。夜、寝つけなかったため、スタンドライトを部屋の片隅に設置して読書をはじめようとしたところ、あなたが夜なか中動きまわるせいでまったく眠れないと(…)がほとんど悪態に近い不平不満をこぼしはじめたのでたいへん頭にきて、トイレに一度立ったのとたったいまスタンドライトをセットするためにたちあがったそれだけでもう夜の間中になるのか、おまえがいつも不平をいうからこちらは夜パソコンを使わないようにしたり今だってスタンドライトの照明がそちらに届かないように細心の注意をはらっているのにそれでも文句をいうのかとつめより、心底うんざりすると吐き捨ててネコドナルドに退避。出て行けといえるものならいいたいのだが、それをいったところでじっさいに出て行けるところのないあちらはけっして出て行こうとはしないしその結果また長々とした口論がはじまるだけなので、部屋の主であるこちらがむしろ出て行くというあらわざ。来週は三連勤であるしそれを考えると残された時間はあとわずか、ほんのあと数日の辛抱でようやくこのセルフィッシュでセルフセンタードな居候から解放されるのだと、そればかりを励みにしてどうにかこうにか毎日をのぼりおりしている。