20131016

 ルターは、悪魔がしばしば肛門の汚れたところに姿をあらわすと信じていた。だから悪魔に嘲罵をあびせて駆逐するためには、牛飲馬食して巨大な大便を排泄しなければならぬ、とかれは考えた。それはほとんど強迫観念にも似た気の奪われかたであったが、不幸なことにルターは生涯を通して便秘と閉尿に苦しんだのである。
 ルターの著作を読むとき、われわれは糞尿にかんする数々の隠喩や直喩にお目にかかる。そしてそこには、排泄による爽快感への執拗な願望がぬりこめられている。便秘の常習者が自分の身体のカタルシス(解放感)について渇きにも似た熱意を抱いていたことを、それはよく示しているだろう。
 そのような爽快感とカタルシス体験にめぐまれたとき、かれは安んじてその内心に神の声をきくことができたのではないであろうか。なぜなら、肛門に巣食う悪魔の座を排泄の威力によって一気に洗い流してしまうとき、神はかれの身辺に降臨したもうからである。
 ルターはまさにこの神の声とともに、一個の宗教改革者へと転生する。そのとき嘲罵をあびせられ放逐された当のものは、たんに悪魔のイメージだけであったのではない。かれは個々の小悪魔を洗い流すことによって、その背後に姿をかくしていた大悪魔の存在を発見する。ローマ教会に君臨する神の代理人がそれだ。内心にきこえてくる神の名において、ルターはこの神の代理人を弾劾し告発しなければならない。
山折哲雄『神秘体験』)



夢。(…)さんとコンビニにいる。(…)さんは仕事着である。酒でもおごりましょうかと冗談のつもりでいうと、遠慮するわけでもなくむしろ乗り気でブツをチェックしはじめるので、ふざけていいちこを差し出す。するとこっちがいいといって梅酒のパックを手にするので、それを受け取りレジで支払いをすませる。これはひょっとしてひょっとするかもしれないなと考えながら店の外に出て、それじゃあこれどうしますか、いまからどっかで飲みますか、とためしにいってみると、まんざらでもない返事があって、さてそうなればどうしたものか、うちの部屋にはシャワーがないし、かといって(…)さんの部屋にいきなり押しかけるのもいかがなもんだろうかと迷う。そうして気づけば実家にいる。朝である。階下におりると母親がいて、冷蔵庫のなかにいわしの煮付けが入っているという。台所にいって冷蔵庫の扉を開いていわれたものを取り出して、そうこうしながら昨日はあれから結局どうしたんだっけかと必死で頭をひねるも、やることやったのかどうかさえいまひとつはっきりせず、どうもみすみす機会を逃してしまったらしいと思う。
夢。港のそばにあるコンテナのような一室に千葉雅也といっしょにいる。同居してまもないらしい。布団にならんで寝転んでいる。鼻の穴の入り口付近に鼻クソがかすかにのぞいているのを指摘すると、こちらにむけていた顔を逆方向にいったん向けてそれからふたたびこちらにふりむき、するともう鼻の穴は清潔になっている。じぶんだったら相手の目線なんて関係なく直接鼻の穴を指先でほじくりかえしてしまうと思う、わざわざ顔を隠すというのはとてもかわいい仕草なんではないかと告げる。冷蔵庫の裏にほこりのたまりやすいフィルターがあるという。掃除はなるべく頻繁にしたほうがいい、だから毎週土曜日は思いきって大掃除の日にしようというのに、ということは少なくとも毎週土曜日はじぶんの時間なしで過ごさなければならないということかと内心げんなりする。開かれた玄関の扉のむこうからのびているホースの先端をひっつかんでフィルターの埃を洗いながしていると途中でぴーっという電子音が鳴り、ああ、埃がいっぱいになったんだ、取り替えないと、とまるでホースが掃除機であるかのように言ってみせる。
9時半起床。性別も年齢も異なれば週に二度顔をあわせる同僚と活字を通してしか知らない人間というあまりに対極的な対象を相手どったつつましくもどことなく性的な夢の二本立て。もうなんでもアリだな。メールボックスをチェックするとひさしぶりに(…)からメールが届いていた。とても忙しいので返信することができなくて申し訳ないと、それだけ記された短いもので、まるで前回こちらから送信したものをそのままはねつけられたみたいである。金が尽きたので毎日働いている、ゆえにメールの返事を書く時間がないと、前回たしかにそう書き送りはしたもののじっさいは相変わらずの週休五日制で、(…)も馬鹿ではないからこちらの嘘にはなんとなく気づいているんではないかと思う。嘘をつくことにたいして罪悪感をおぼえるというひとがいるが、彼らはいったいどんなふうに毎日を切り抜けているんだろうかとふしぎになる。物心ついたときから別段嘘をつくことにたいして抵抗をおぼえないというか少なくとも罪悪感をおぼえることのないじぶんはじぶんでまた極端なだけなのかもしれないが。
11時半より15時半まで発音練習&音読。四時間前後で集中力がいったん途切れるというのがパターン化している気がする。気晴らしの外出を兼ねて大垣書店とビブレの中の書店をのぞいて英語の問題集をチェックしたのだがお目当てのブツはなかった。絶版らしいしamazonでもプレミアがついているようなのでまあ簡単には見つからないのだろうけれど、それでもたとえば地方の個人経営の書店なんかをあされば見つかるかもしれない。ちなみに欲しいのはこれ(…)とこれ(…)で、もしどっかの書店で見かけることがあったらどうぞ迷わず購入して(…)*hotmail.comまで連絡ください。お金はきちんと支払います。
帰宅してから簡単な夕飯をとり、それからネットで小一時間ほどアーロンチェア周辺についての情報をサーチした。京都で試座することのできそうなお店をとりあえず二軒ほど見つけたのだけれどどちらも種類はたくさんないみたいであるしさまざまなタイプやグレードのものを座りくらべするというわけにはいかないみたいでどうしたもんかと思う。大阪まで出張れば南港ショールームとかいうところでありとあらゆる高級メーカーの高級チェアに座りたい放題みたいなアレらしいのだけれどそもそも大阪まで出るのがすごく面倒くさい。なんかわざわざ電車で梅田までいってそこからシャトルバスに乗りつないで到着した先のビルでひとり延々と高級チェアを座りくらべしつづけるというその絵面がさぶく思われてしかたないし、かといってだれかを誘おうにも(…)は今週空いていないようであるし(…)がだめだったらほかに誘う相手もいない。ひとまず明日あたり京都市内の店舗をひとつ訪れてみてあるものだけでも試座させてもらおうかと思うのだけれどできれば一日でも早く手元に欲しいというか、今日にしたところで朝からずっと腰がうずいてたまらないしどんな姿勢をとってみてもしんどいというか唯一楽なのはあの臨月前の妊婦さんがベッドに横になってとるような姿勢で、これはかつてヘルニアに苦しんだ(…)さんから腰痛持ちが寝るときは必ずこうしろ、決してあおむけのまま寝るな、翌朝死ぬことになるぞと、そんなふうにして伝授してもらった対抗策であるのだけれどとにかくこれ以外の姿勢はすべてしんどいつらいだるい痛いみたいなアレで、自転車に乗っていても道路を歩いていてもとにかく腰が重い。というわけでアーロンチェアが必要だ。別にエンボディチェアでもかまわない。おそろしいことにいまなら金がある。このタイミングの合致に奇蹟を見るべきだ。この手のブツは金があるときに買っておかないと金がなくなってからではまったく手が出ない。この記事(http://www.lifehacker.jp/2012/09/120922officechairs.html)を読んだときはほんのちょっぴりIKEAに心も傾きかけたが、しかし色々とサーチしていくなかでやはり腰痛持ちのワーカホリックにはアーロンチェアしかないんでないかという結論に達した。ゆえに購入する。15万?そんなもん言ってみりゃあはした金だ。たかだか給料二ヶ月分、家賃八ヶ月分にすぎない。どうにかしようとおもえばどうにでもなってしまうのが人生だ。抜け道なんてどこにでもある。頭を使え。発想を転じよ。さすれば道は開かれん。コンクリートジャングルのサバイバル術はいたるところに。
サーチを終えたところでふたたび音読の続きに取り組んだ。とちゅうで30分の仮眠をはさみつつも19時より22時まで延々と音読しつづけたところで本日の勉強は終了。これだけやっても七時間に満たないのかという現実にすこしがっくりくる。口だけ達者でやってることは結局ぬるい。読書はやはりしばらくいいかなと思った。グレゴリー・ベイトソンだけ読み終えたらまたしばらく活字とはおさらばすることにしてひとまず英語と執筆にしぼってやっていくのがたぶんよいという気がする。あと、「邪道」をさっさと片付けたい。最近こいつのことを考えるとイラつく。一年半以上とりくんでるわけだからそりゃまあ倦怠期みたいな関係にもなってしまうわな。シャワーを浴びてストレッチをこなし、腹が減ったけれども冷蔵庫の中になにもなかったのでフレスコまで出かけて納豆だけ購入したはいいものの米もないし、で、結局セブンイレブンでラーメンを購入して帰宅してから喰らった。なか卯米食ったほうがマシだった。今日は朝も夜もたいそう寒い。パジャマ兼部屋着としてとうとうスウェットとヒートテックを押し入れから出した。ハーフパンツと背中に穴の空いたTシャツにさようなら。寒い日はコーヒーが美味くてよろしい。今日は10杯飲んだ。明日は11杯飲もう。