20131122

「自分に変えることのできないものは受けいれる静かな心と、変えうるものは変える勇気と、その二つのちがいを見分ける知慧と」
グレゴリー・ベイトソン+メアリー・キャサリンベイトソン星川淳吉福伸逸・訳『天使のおそれ』「メタローグ:中毒」よりアラノン(アルコホリックアノニマス)の祈りの文句)



10時半起床。12時より「A」推敲。17時麻痺のためいったん中断。とちゅう(…)くんから英語の勉強をはじめたいのだけれどどうすればいいという問い合わせのメールが入った。どうしてまたと事情をたずねてみたところなんでもどこかの音楽事務所と契約うんぬんとかそういう話が進んでいるらしく、そこでその事務所の人間に英語の勉強をしておけと命じられたのだという。なんてやつだ!(…)くんとは年齢もジャンルも違うけれどもキャリアはたしかじぶんと同年数であったはずである。まんまと先を行かれてしまったわけだ。はじめて(…)くんの存在を(…)に告げ知らされたとき、なんかおまえにそっくりなやつがいると(…)がしきりにいうのでどういうところが似ているのかとたずねると、頑固なところと意見がころころ変わるところという返事があって一見すると矛盾するようであるこれらふたつの性格はしかし余裕で両立する、というのはあるひとつのスタイルの徹底的な掘りさげが帰結するところとはそのスタイルの全面的な更新すなわち見方を変えたところの破棄にほかならないからでこのような経緯の連綿だけがまことに変身と呼ばれうるものなわけだけれど、(…)くんはたぶんMP0でもう今日はこれ以上作業できませんってときにそんじゃあMPのかわりにHP使いますわっていう無茶をしてしまうタイプでここもじぶんに似ているし、あと周囲から若干の反感を買われかねないほどの自信家であるという点でも似ている。このあいだ東京にいったときに新作の歌もの音源を聞かせてもらって(…)くん当人がボーカルをあてていたのだけれどクソうまかったものだから(…)くん歌超うめーな!と伝えると、表情だけはすごい謙遜した感じのくせしていやーそうなんすよねーぼく超歌うまいんですよねーと言ってのけてみせてまだ逆だったらわかる、言葉のうえでは謙遜してみせながら表情ではふふんと自信満々とかだったらわかるのだけれどその正反対をいってしまえるあの感じ!たぶんあれこそ(…)の指摘する「そっくり」の核心な気がする。
ぶつくさやりながら買い出しに出かけたのち今日中に推敲を終らせないといけないしジョギングはもうパスでいいだろうと思ったのだけれどいいや待て、こんなふうに麻痺っているときだからこそいちど体を動かして凝り固まった脳みそを洗い流さなければなるまいと考えなおし、それでがっつり走ってきた。シャワーを浴びてから玄米、インスタントの吸い物、もずく、鶏胸肉とピーマンとブロッコリーとパプリカを塩こしょうと醤油と酢で炒めたしょうもない夕飯をかっ喰らった。いつもいくスーパーで販売しているもずくは二種類あるのだけれどそのいずれもが久米島産だったりしてあの夏、いちばん愚かな海。ゆっくりと思い返すのはもうすこし後でいいだろうとおもって作業にばかりかまけていたら知らず知らずのうちにほんとうに遠ざかってしまってもううまく思い出せない思い出の数々。まるで一年も二年も前のできごとであるような気がする。その事実こそがさびしい。
飯を食ったら案の定眠気を催したので作業は翌朝早朝にまわすことにして21時半には床に着いた。