20230624

 11時過ぎ起床。二年生のグループチャットで学生らが口をそろえて「また来年」と投稿しているので、「難しかった?」と四級試験の難易度をたずねると、「とても」「全部」「very」「全然分からないです」という反応。例年よりも難しい問題だったのかもしれない。午後は基礎日本語のテスト、そして明日はこちらが担当する日語基礎写作(二)のテストだというので、連休の振替というかたちで土日返上で期末試験を行うらしい。
 朝、というか正確には昼前であるが、目が覚めて最初にすることは、はてなブックマークのトップページとMSNのトップページとROM専(死語)のTwitterをのぞいてざっとニュースを確認することなのだが、そして今月に入って以降、その際に大谷翔平がホームランを打ったことをほとんど毎日のように知る流れになっているのだが、今日もまた打っていた、しかしそれ以上にびっくりしたのはワグネルのプリゴジンが公然と反旗をひるがえしたという報道で、部隊はロシア南部ロストフ州に入って軍事施設を掌握、「武装蜂起」を宣言したというもので、たしかにプリゴジンは以前からショイグ国防相をたびたび批判していたわけだが、マジか、こういう展開になるのかとびっくりした。ただ、プリゴジンの批判の矛先には現時点でプーチンそのひとは含まれていないらしく、ウクライナNATOはロシアを攻撃しようと考えていなかったにもかかわらずロシア国防省プーチンにそういう考えを吹きこんで騙したというふうに語っているようす。こうした動きを受けて裏読み大好きなひとびとらは、プリゴジンプーチンはそもそも利害関係が一致している、ショイグをはじめとする国防省スケープゴートにするかたちでじぶんたちは騙されていたのだという筋書きでもって停戦にむすびつけようと考えているのではないかという希望的観測を口にしていたりもするようだが、さすがにそんな単純なことにはならないんではないか、ほとんど偏執狂的な歴史観に取り憑かれているプーチンがいまさら刀を鞘に納めるとは思えない、しかし万が一そうなった場合、今回の戦争は裏で暗躍しているアメリカが悪いの一点張りで世論をコントロールしている中国政府がどう出るのだろうかと、その点はかなり気になる。
 咸蛋とトースト二枚の食事をとり、コーヒーを飲みながらきのうづけの記事の続きを書いて投稿する。記事冒頭の抜き書きは現在『二〇二〇年フェイスブック生存記録』(中原昌也)が対象であるのだが、Kindleで抜き書き用にマークしてある箇所をチェックしたところ、あとで音源をチェックするようにという別の意味でマークされたミュージシャンの名前が山ほどあったので、抜き書きの代わりに音源を11枚まとめてApple Musicでダウンロードした。『Queens of the Circulating Library』(Coil)、『Out』(WHITE HEAVEN)、『Strange Bedfellow』(WHITE HEAVEN)、『Live On Maxwell Street: 1964』(Robert Nighthawk)、『Gurdy Hurding』(Renaldo & The Loaf)、『Leftovers Again?!?』(The Residents)、『Jon Gibson: Relative Calm』(Jon Gibson, Joseph Kubera & David Van Tieghem)、『Songs & Melodies, 1973-1977』(Jon Gibson)、『Introduction』(The Red Krayola)、『Corky’s Debt to His Father』(Mayo Thompson)、『Dreamies (2006 Special Edition) [Remastered]』(Bill Holt)。White Heavenはサブスク解禁されているのだが、石原洋とThe Starsは見つからなかった。あと、フランスのパンクバンドらしいBonne Humeur Provisoireも見つからなかった(Bandcampのほうにはあったが)。あと、これらとは別に、最近知ったBen Vidaがけっこういい感じなので、『Greg Davis & Ben Vida』(Greg Davis & Ben Vida)というのもダウンロードしてみたり、というかそのBen VidaがTown & Countryのメンバーであることをいまさら知り、それでなつかしくなって『C’mon』もひさしぶりにダウンロードして流すなどした(十数年ぶり?)。
 きのうづけの記事を投稿し、ウェブ各所を巡回し、2022年6月24日づけの記事を読み返した。以下の辛辣なくだりでちょっと笑った。

 万达の外に出る。縁日みたいなものがたくさん出ている。特別な日なのだろうか? 両隣に屋台、天井には和傘のようなものが敷き詰められたトンネルを歩く。内側には熱気がこもっておりほとんど地獄のようだ。新疆や海南の名物が売られている。网红なんちゃら(ネットインフルエンサーの意味)という屋台ではふざけた格好をした男が、串焼きの上に「塩振りおじさん(ヌスレット・ギョクチェ)」の真似をして塩をパラパラふっていた。女子三人、無言の苦笑。田舎の公共空間でダダ滑りしとるミームほどさぶいものはない。

 2013年6月24日づけの記事も読み返し、「×××たちが塩の柱になるとき」に再掲。(…)さんと乱闘事件を起こした翌日の記事なので、正直公開するのがちょっと恥ずかしい。いいちこ片手に手打ちした日。あらためて(…)さん宅でサシで飲み食いしているのだが、酔っぱらった(…)さんが突然告白した性癖の中身がけっこうおもしろかった。

酔っぱらった(…)さんがまだ誰にも告げたことがないという性癖を暴露した瞬間があって息ができずに死ぬかと思われるくらい大爆笑した。完全にできあがった(…)さんはいつもどおりパーソナルエリアをガン無視する至近距離でにやにや笑いしながらえげつない下ネタを繰り出しっぱなしで、さらけだした性癖についてもこちらがドツボに入っている様子を見るなり、これはいけると思ったのか、この話べつにみんなにいうてもええぞ! ええ!? おれおもろいやろ!? なあやばいやろ!? (…)くんおれやばいやろ!? と、酔っぱらいながらとはいえそう許可してくれたのでここに書いてしまうけれど、今年で42歳だかの(…)さんはいまだに一日につき三回オナニーする、それも女性物のパンツをはいた状態でケツの穴にローターをつっこみ、あげくの果てには「やめて……!」と女性になったつもりでよがり声を漏らしたりもするというアレで、ここまで書いてやっぱりこれいくら匿名イニシャルトークとはいえ書くのやばいんでないかと思わないでもないのでみなさんの心の内側にとじこめておいてください。

 あと、この日の記事の最後には「わたしの無傷は免疫ではなく予防に因るものであるとかつて書きつけた。」と記されており、あー! あったなこんな言葉! となった。(…)がかつて二十歳のこちらを評した言葉、「おまえは常識ではなく条件で生きている」と同じくらい的確な自己分析。打たれて強くなった人間ではなく、そもそも打たれないようにたちまわることで強くなった人間。防御力ではなく回避率。この分析をした当初はもちろんネガティヴな意味でこの言葉を書き記した。

 今日づけの記事をここまで書くと時刻は16時前だった。ロシアの続報が気になったので調べると、プーチンが会見上でプリゴジンを批判したという情報に行き当たった。全面対決になるんか? 小一時間ほど『本気で学ぶ中国語』を進める。
 ケッタに乗って(…)に向かう。食パン三袋を購入。さらに(…)楼そばの売店でトマトのカップ麺を買ったのだが、カップ麺の陳列されている棚がスカスカになっていて、あ、そっか、夏休みのあいだは店を閉じるんだなと思った。第五食堂に立ち寄る。二階はやはり封鎖されている。一階の店で打包。寮にもどると、(…)一家が敷地内にいる。(…)は新品のケッタをのりまわし、(…)は自由に走りまわっている。いつもワンワン吠える(…)であるが、今日はこちらが片手にメシをもっているからだろうか、はるかに愛想がいい。夏休みに一時帰国する話になる。いくらかかるのかというので、round tripで6000RMBくらいかなと応じると、安いという反応。そりゃあはるばるEnglandまで行くのにくらべると安い。帰国はしないのかとたずねると、そんなにrichじゃないからという返事。(…)も置いていけないしねというと、そうそうという反応。そう考えると、アメリカやヨーロッパから外教として赴任してきているひとらはなかなかけっこう大変だなと思う。(…)なんてたしかもう10年くらい帰国していないという話ではなかったか?
 部屋にもどる。食す。15分の仮眠をとったのち、シャワーを浴び、ストレッチをする。VPNが一時的につながらなくなる。すべてのサーバーを試したが、全滅。ロシアの報道が原因だろう。白紙運動のときでも全落ちということはなかった気がする。当局、だいぶピリピリしとる。
 「実弾(仮)」第四稿にとりかかる。20時半前から23時まで。シーン32の続き。ひさしぶりに麻痺った。それほどむずかしいシーンではないはずなのだが、細部に拘泥しすぎてドツボにハマった感じ。執筆中、ロシアに関する続報が気になり、復活したVPNを噛ませてたびたび新情報を求めていたのが原因でもある。
 その新情報として、ワグネルの反乱にあわせて、ベラルーシの反体制派が蜂起を呼びかけたという情報があった。さらにそのベラルーシのルカシェンコが前夜トルコに逃亡したというような情報も見かけたが、本当かどうかは知らない、というかルカシェンコは先日プーチンのもとをおとずれたときに病気かなにかで倒れ、モスクワ内の病院で治療を受けているみたいな話ではなかったか? ちょうど戦術核をベラルーシ国内に配置することを決定するという重要な会談のタイミングだったこともあり、めちゃくちゃきな臭い話やんけ! と思った記憶があるのだが。
 カップ麺を食す。歯磨きをしながらジャンプ+の更新をチェックし、0時からふたたび『本気で学ぶ中国語』。1時半になったところで中断してベッドに移動。モスクワに向かっていたプリゴジン率いるワグネルであるが、ここで突然、これ以上の前進をとりやめにして引き返すと宣言したというニュース。しかも調停に入ったのがルカシェンコであるというので、は? ここでルカシェンコが出てくんの? というかこのタイミングでやっぱやめます言うたところでプーチンのツラに泥塗ったかたちになるわけやしいまさらどうにもならんのちゃうの? 遅かれはやかれプリゴジンはぶっ殺されるだけちゃうんか? と素人考えをたくましくする。そりゃあワグネルと国軍が正面からドンパチやったところで前者に勝ち目などあるわけないのだが、すでに国軍のヘリを撃ち落としたという報道もあるわけだし、いまさら身を引きますと宣言したところでそれでどうにかなる話なんだろうか? ぜーんぜんわからん!
 『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』(フィリップ・K・ディック浅倉久志・訳)の続きを読み進めて就寝。