20230804

 11時過ぎ起床。階下に移動し、歯磨きしながらニュースをチェック。おもてに出てめだかの鉢をのぞき、ヌマエビが脱皮したあとの抜け殻を割り箸でつまみだし、ホテイアオイのひげ根をトリミングする。父が帰宅したところで、手土産の寿司だのうなぎだのを食す。
 母の運転で外出。図書館で『風呂』(楊絳/中島みどり訳)を借りる。セブンイレブンで7万円×2をおろす。バローで(…)のおむつだのおやつだのをまとめて買う(5000円以上する会計はこちらがもった)。最後にコスモスで冷食だの飲み物だのをまとめ買い。
 帰宅。(…)から出産祝いのお返しが届く。スタバのコーヒーセット。礼のLINEを送る。12日に(…)の一家もふくめて川遊びをする約束になっていたのだが、この暑さのなか幼い子どもを遊ばせるのはちょっと厳しいんではないかと話す。(…)はテントやら保冷剤やらすでにもろもろ購入済みのようであるが、(…)の奥さんがふたりめを妊娠したという話もあったし、なにより台風が接近しているというアレから、たぶん厳しいだろうなと感じていたとのこと。ま、その場合は(…)の新居でだらだら過ごせばいい。
 『チェロと私と牧羊犬と』(八月長安/納村公子訳)が届く。さっそく新四年生の(…)さんに写真を撮って送る。きみに教えてもらった本をようやく買ったよ、と。「先生はやっぱり優しい人ですね」とすぐに返信がある。(…)さんは専攻を法学に変更した上で院試にのぞむ(そしてそのために夏休み中も大学に残って毎日勉強している)。暗記事項が多くて本当に大変でしょうというと、大変だけど自分で選んだ道だからだいじょうぶという返事。きみは自律心のある学生だから全然心配していないよというと、それでもときどきは疲れるという、でもそういうときに先生の話を思い出すと力が湧くというので、卒業生に向けて書いた手紙の内容を踏まえているのかなとおしはかった。
 (…)を連れて(…)へ。車からおりるなり、(…)はほとんど小走りで歩いた。うんこと小便をしたあともひととき快活に歩いたが、じきに歩みがのろくなったので、母がお菓子で誘導するかたちで芝生の上に連れていき、そこでいったん座りこんで休憩をとることにした。川原におりる階段の上では若い男の子がひとりギターの練習をしており、そばには自転車が停めてあった。たぶん中学生か高校生だと思う。夏休み中は毎日ここにやってきてギターの練習をしているんだろうなと思った。(…)が芝生で伏せているそのそばにおとな三人も座りこむ。風が吹いて気持ちいい。いつか(…)がまったく歩けなくなったとしても、ときどきはこうして外に連れ出してやったほうがいいんだろうなと思ってそう口にすると、両親は同意した。施設に入っている老人らが車椅子のままときどき外に連れ出してもらうのとおなじだ。ずっとおなじ部屋で寝たきりになっているのは身体にもあたまにもよくない。たとえ自力で動けなくなったとしても、ときどきこうして外の空気に触れて外の景色をながめる時間が絶対に必要なのだ。その時間を先取りして体験しているような気分になった。
 芝生に座りこんでいる三人+一匹のそばを、犬を連れた老人が何度か通りがかった。印象に残っているのは二組。一組目はメスの芝犬を連れた男性で、彼は杖の代わりになぜかゴルフクラブを手にしていた。芝犬はとても元気で足取りなどステップを踏むような軽さであったのだが、年齢は14歳であるという。名前は(…)((…)でときどき見かける芝犬の(…)とは別)。やはり中型犬のほうが足腰は強い。足腰も強いし耳も良いのだが、目だけがちょっとあやしいとのこと。(…)を介護しているわれわれを見て、そのうち車輪つけたらなあかんなというので、そういえば犬の車椅子を用意してくれるという工房について調べるのを忘れているなと思った。ちっちゃいころにさんざん遊んでくれたんやからな、順番やな、最後まで世話したらなあかんな、楽しい思いさせてくれたんやから、と飼い主の男性はいった。然り。
 もう一組はトイプードルとシーズーのミックスだった。こちらもやはりぼちぼち高齢だったはずだが、めちゃくちゃ元気で、なによりもアホみたいに太っていた。名前は(…)。(…)! と呼びかけて手を差し出してやると、ものすごいいきおいで近づいてきて尻尾をふりまくり、あれは服従のポーズということになるんだろうか、こちらに尻を突き出すようにするのだった。撫でてみると、やっぱりとんでもない肉付きで、小型犬にもかかわらず医者から3キロ痩せろと言われており薬も飲ませているというので、このサイズで3キロダイエットってよほどやぞと思った。(…)は(…)にも興味津々だった。
 帰宅。『チェロと私と牧羊犬と』(八月長安/納村公子訳)を少しだけ読んで夕飯。食後は(…)にもらったスタバのコーヒーを飲む。その後ソファで仮眠——のつもりであったのだが、23時過ぎまで爆睡してしまった。起きてほどなく下痢ラ豪雨に見舞われた。腹を冷やしてしまったのかもしれない。入浴し、ストレッチし、冷食のパスタを食してジャンプ+の更新をチェックし、デカビタを飲みながらきのうづけの記事の続きを書いて投稿した。ウェブ各所を巡回し、2022年8月4日づけの記事を読み返した。(…)さんに誘われて万达で鉄板焼きを食べた日。中国の七夕、つまり、恋人たちの日だったので、彼女からのアプローチに警戒しているのだが、以下のくだりで笑ってしまった。ディフェンス下手すぎやろ!

 食事も後半にさしかかった頃だったと思うが、ひとがたくさんいると(…)さんが言い出した。周囲を見渡してみると、なるほど、けっこう繁盛しているなという感じ。すると突然、あ、わかった、今日は特別な日だから、と言い出したので、あーなるほど、そういう流れに持っていきたいわけね、とその時点ですべて察した。今日は七夕だからと続けたのち、完全に忘れていましたけどとつけくわえてみせるそのつけくわえかたが、たとえカタコトの外国語であったとしても、いまのはわざとらしい! いまのはしらじらしいぞ! と突っ込みたくなるくらい下手くそだった。こちらとしては食事はもう今回きりでいいというか、ここから関係をさらに発展させたいみたいな気持ちは皆無なので、中国における七夕がどういう意味をもっているのかについてはまったく知らないふりをして、あー今日は中国の七夕なんですね、としらばっくれた。すると、日本と中国ではちょっと七夕の意味が違いますからと意味深に笑って食い下がってみせるので、これが恋愛ゲームだったら選択肢①「どう違うんですか?」②「日本では短冊にお願いごとを書きますよ」③「おれとおまえで今夜彦星と織姫を演じよう!」のいずれかひとつを選ぶところであるけれど、こちらは④「ていうか(…)さん、蛇食ったことあります?」をチョイス! これがフラグクラッシャーとして名高い男の伝家の宝刀、屋久島の縄文杉を根本からぶち折るほどの威力で放たれる大外刈りゼロ式や!

 2013年8月4日づけの記事も読み返し、「×××たちが塩の柱になるとき」に再掲する。それから今日づけの記事もここまで一気呵成に書くと、時刻は2時半だった。

 書見。『チェロと私と牧羊犬と』(八月長安/納村公子訳)の続きを読み進める。いとこのお姉さんとの関係を書いた「わが親愛なる見知らぬ人」がなかなかよかった。著者の八月長安はこちらの二歳年下。北京大学卒で日本に留学経験もある(男子学生を描写する文章のなかでやたらと『スラムダンク』の登場人物が比喩に使われるなど、日本の漫画やアニメにも詳しいようであるが、世代的にちょうど改革開放の影響をもっとも受けていたアレかもしれない)。出身はハルピンであるが、高考でハルピン市内最高点を獲得したとのことで、どえらい秀才やんけという感じ。
 歯磨きをすませたのち、間借りの一室にあがり、布団に寝転がって書見の続き。朝方就寝。閉めきった窓の向こうからひぐらしがカナカナカナカナうるさいくらい鳴いているのが聞こえてくる。