20230810

 11時起床。階下に移動し、歯磨きしながらスマホでニュースをチェックする。中国→日本の団体旅行解禁のニュース、日本語圏のメディアでも正式に配信されていた。今日10日より解禁らしい。あいかわらず突然すぎる。めだかに餌をやる。母は心臓の件で診療所に出かけた。大病院で検査するための紹介状を書いてもらう予定。
 仕事終わりの父が帰宅する。例によってエンジェルス戦をテレビで観戦しはじめるので、父の手土産のやきそばを食いながらこちらも付き合う。大谷は二刀流で出場。今日は勝利投手として試合を終えた。ホームランの本数でちょっと前まで独走状態だったはずであるのに、いつのまにか二位の選手と一本差しかなくなっているらしい。
 母から電話がある。保険屋が14時に来る予定なのでそれまで父に起きているように伝えてくれ、と。食後のコーヒーを飲みながら、きのうづけの記事の続きを書きはじめる。ほどなくして母が帰宅。かかりつけの医者からは前回同様、異型狭心症だろうと思うとの診断がくだったようだが、とりあえず日赤への紹介状は書いてもらった模様。15日に検査を受けるという。
 保険屋がやってくる。予想通り、今日は営業所長は同行しておらず、若い男性ひとりだった。父と母とこちらの三人で説明を受けたのち、父がタブレットにサインをする。それで終わり。あとは雑談。大学を出てほどないくらいの歳だと思っていたのだが、きいてみればこちらの四歳下でしかなかった。地元は(…)の奥のほうらしく、出身地の近い母とそのあたりの話題でいろいろ盛りあがっていたのだが、◯◯という名字が口にされると、ということは××のひとですかという返事が打てば響くようにあって、名字と土地がセットになっているこの感じは限界集落あるあるだ。保険屋の男性はこちらの人生がうらやましいと不意に口にした。きのうの話を聞いて、じぶんもそんなふうに生きたいと思ったというので、でもまああんまりおすすめはしませんよと笑った。男性はこの仕事に転職してからまだ一年ほど。いまは実家から職場まで車で通っているというので、地元に若いひといますかとたずねると、むかしから仲良くしているひとつ上の先輩たちが全員地元に残っているというので、だったら退屈せずにいいですねといった。その先輩たちと一度だけ台湾旅行に出かけたことがあるという。食事が全然合わなかったというので、台湾の食事はわりと日本人の味覚と相性がいいはずだと思うけどと受けると、タクシーの運転手にたのんで地元の人間しか行かないようなところに連れていってほしいとお願いしたところ、衛生面のかなりあやしい屋台のたちならんでいる一画に連れていかれたらしい。そこで食べたものは小籠包以外全部まずかった、からあげでさえまずかったのだがそのからあげは先輩からのおごりであったので食べないわけにはいかない、しかしまずい、そうであるから先輩が見ていないうちにこっそり捨てたというので、屋台のメシは基本的に不衛生ですしまずいですからねと受けた。むこうでお腹とかだいじょうぶですかというので、何度か下したことがある、日本にくらべてあちこちにトイレがあるわけでもないのでけっこう難儀すると受けたのち、去年の「会所」事件について語ると、男性も台北滞在時にトイレに行きたくなったのだが周囲に見つからず、それでしかたなく警察署のトイレを借りたのだと笑いながら言った。それから臭豆腐のにおいがとにかくしんどかったといった。台湾にも臭豆腐はあるのだと思いながら、油がちょっと小便くさいでしょというと、『千と千尋の神隠し』がモデルになった場所をおとずれたのだが、終始あのにおいにつきまとわれて苦しんだ記憶しかない、じぶんはアジア旅行が向いていないのかもしれないと続いた。

 保険屋の彼が去ったのち、きのうづけの記事の続きを書いて投稿。ウェブ各所を巡回し、2022年8月10日づけの記事を読み返す。2013年8月10日づけの記事も読み返し、「×××たちが塩の柱になるとき」に転載。そのまま今日づけの記事も途中まで書く。
 (…)を車にのせて(…)公園へ。車からおりてすぐに小便だのうんこだのはするのだが、その後はほとんど歩かずその場にぺたんと座りこんでしまう。うちの庭を歩いているときも、本人はまっすぐ歩こうとしているのだろうが、なんせ後ろ足に力が入らないので、まるで酔漢のようによろめき斜めに移動してしまうことがたびたびある。本当に日に日に、目に見えて悪化していくのがわかる。へたりこんでしまった(…)を大人三人で見守っているあいだ、そう遠くない帰結を各々が想像し、どうしても口数が少なくなってしまう。車椅子をすぐに導入しようとこちらが切りだした。もうすこし様子を見てからというつもりでいたが、このまま下手に歩かせて前足を怪我することがあったら、それこそもうどうしようもなくなってしまう、寝たきり生活になってしまう、それだったらやはり先手先手で散歩やドライブのときだけでも車椅子を導入するべきだといった。両親も納得した。
 それで車にもどった。スマホで岐阜にある車椅子の工房の情報をあらためて調べてみたが、運の悪いことに、明日から盆休みらしかった。だったら以前からそう話していたように、(…)をどのみち獣医のところにワクチン接種に連れていく必要があるのだからそのときに相談し、ゴーサインが出るようであれば盆休み明けにすぐに工房に連絡をとって製作をお願いしようとなった。たぶんこちらが出国するまでに製作をお願いしたブツが届くか届かないか微妙なラインだと思う。(…)ペットクリニックも13日から15日まで盆休みらしいので、(…)は16日に連れていくことにした。
 帰宅。授業準備に着手する。日語会話(一)の続き。二回目の授業で使用する基本単語(料理の名前、果物の名前、飲み物の名前、動物の名前など)の画像をひたすら収集する。
 夕飯。食後はカーペットにごろんしてひとときだらける。入浴し、ストレッチをし、22時半から授業準備を再開。第0課はやはり授業を三回使って行うことに決めた。その1で五十音と簡単なあいさつの練習。その2で基本単語の習得。その3で数字と時間と曜日と年齢。第1課用のアクティビティについても良案をひらめいたのでよかった。
 0時半に作業を中断。冷食のカレーピラフを食し、歯磨きしながらジャンプ+の更新をチェックしたのち、間借りの一室に移動して就寝。
 ひとつ書き忘れていた。(…)作文コンクールの中間結果が発表されたのだ。今年は一年生の(…)くんと(…)さん、二年生の(…)さんと(…)さんの四人が応募したのだが、(…)さんのものが予選を突破したらしく、ひとまず佳作賞以上が確定した。(…)くんのものはテーマを完全に無視した内容だったし、(…)さんのものはクオリティが低かったので、両者ともに予選落ちというのはある意味想定内だったのだが、(…)さんのものが選ばれなかったのはちょっとおかしくないかと思った。彼女は去年佳作を受賞しているのだが、その受賞作品よりも今回のほうがはるかによく書けている。あいかわらず審査の基準がよくわからない。いちおう全員に通知したのだが、(…)さんはおおよろこびだった。(…)くんは予想通りだったのだろう、それほどショックを受けているふうではなく、それは(…)さんも同様のようすだった。(…)くんにはついでにスピーチコンテストの進捗状況についてたずねた。テーマは「(…)」。これだったらずいぶん書きやすいだろうと思ったが、なんせ彼の担当は(…)先生であるので例によってまた余計な口出しをしているのかもしれない。(…)さんからは(…)さんの原稿はもう書きあがっているのかとたずねられたので、彼女からはまったく連絡がない、そもそもこちらは新三年生の代表がまだ決まっていないということすら知らなかったと応じた。(…)さんはこちらの意見を取り入れて部分的に書きなおした原稿を(…)先生に送ったのだが、もう三日も返事がないと不満気にいう。(…)さんは少なくとも表面的には予選落ちを気にしているふうではなかったが、内心はどうか知れない。班导にも正式に落選が決まったというのだが、それでも新入生とのやりとりに困難がともなうようであれば自分が手伝うというので、ありがとう、きみがいま一番頼りになる通訳だよ、とちょっともちあげておいた。