20230906

 高知から無事、帰京しました。Go To クーポンが使えた店は全部美味しくなく、しかしそれ以外の酒場はすべて満点!
中原昌也『二〇二〇年フェイスブック生存記録』)

 さすがに笑うわ。



 9時起床。歯磨きしながらニュースをチェック。パンを切らしていたので朝食は抜いて水を飲む。洗濯機をまわす。三年生の(…)さんから微信。教員の時間割を見たが、こちらの担当する授業の多さにびっくりしたというので、二週だけある一年生の補講×二クラスを毎週のスケジュールと勘違いしているのではないか、担当している授業は四つだけであるのだが一時的な補講もそこに加算してこちらが週に六つの授業を担当していると理解しているのではないかと思ったが、その点については触れず、例年よりは楽だよ、スピーチの練習があるからちょっと大変だけどと応じる。今日は本来授業がすべて休講になる予定だったはずなのに、自分たちのクラスだけ(…)先生の授業を午前も午後も受けなければならないと(…)さんはいった。休講? そうなの? と思って先日(…)にもらったカレンダーを確認したところ、今日6日は「2023级新生报到」とあり、あ、新入生が今日からやってくるわけねとなった。それで先輩学生らは後輩らをいろいろガイドするために立ち働く必要があり、授業は全部キャンセルということになったのだと思うが、しかしそれでいえば、もともと水曜日に授業のひとつもないこちらはものすごく損した気分になる。くそったれ。今日からしばらく食堂は大混雑するだろうねというと、特に今日は学生だけではなく付き添いの親も大学に来ているはずだからひどいと思うという返事。
 きのうづけの記事の続きを書き、洗濯物を干したところで、はやめに第五食堂へ。おもてに出たところ、すでにありえないほどの人出で、親御さん付き添いで歩いているおぼこい新入生の姿もあるし、それぞれの故郷から荷物の配送依頼を受けた快递の車もたくさんあるし、普段そんなに見かけることのない乗用車も道路をまるっと一車線埋めるほど路駐しているし、警備員もフルであちこちに立っている。なんだったら(…)まで寮の外に椅子を置いてそこに座っている始末で、自主的にやっているのか大学からの頼みでそうやっているのかわからないが、いやこれはなかなかすごいなと思った。去年もこんなだっけと考えたところで、去年はゼロコロナ政策真っ盛りだったから、新入生が大学にやってくるのも学部ごとに時期をずらすなどもろもろ慎重だったんだと思いだした。
 第五食堂の二階で打包し、そのまま文具屋へ。文具屋もやっぱり新入生と親御さんの姿でけっこう混雑している。A4用紙をレジにもっていく。つるっぱげの老板がこちらの姿を見かけるなり、老师! 你好! というので、你好! と返事する。そうしたやりとりを新入生とおぼしき女の子がぎょっとしたようすでながめている。

 帰宅。メシを食し、コーヒーを淹れ、きのうづけの記事を投稿。ウェブ各所を巡回し、2022年9月6日づけの記事を読み返し、そのまま今日づけの記事も途中まで書いた。途中、鹿児島の(…)さんから写真が届いた。こちらが授業でいつも使っている先端にうんこのついた指し棒がドンキに売っていたという報告。
 追加でもう一杯コーヒーを淹れ、「実弾(仮)」第四稿執筆。13時45分から16時まで。プラス17枚で計732/1040枚。シーン38、片付く。ここはそれほど修正する点がない。シーン39も途中まで進める。
 作業の途中、長野の(…)さんから元気にしていますかと微信。おなじく長野でインターンシップ中の(…)さんと休日を利用して草津温泉に旅行に出かけたらしく、そのようすを(…)さんがモーメンツに投稿していたのに対してこちらがいいねをつけた、それを見ておそらく連絡をよこしたかたちで、(…)さんはわりとそういうことがある、つまり、こちらが彼女のクラスメイトのモーメンツの投稿にたいしていいねをつけたりちょっとしたコメントを残したりすると、その後こちらにメッセージを送ってくるわけで、これはこれで一種のかわいらしい嫉妬みたいなものなのだろう。じぶんより外教と仲良くしているクラスメイトに対して嫉妬だのうらやましさだのをおぼえる学生は各クラスに必ず数人いる。だいたい日本語能力が高く、友人のやや少ないタイプの子だ。学生たちはやはりこちらに対する気遣いからか、いまだにだれひとり処理水の話などもちかけてこないわけだが(例外は精日分子である(…)くんくらいだ)、それは現在日本でインターンシップに参加している子たちも同様。内心ではいろいろ思うところがあったり不安だったりするのだろうが、「こっちで生活本当に楽しいです」という。(…)とはちがって向こうはすでにけっこうすずしいらしく、夜など寒いくらいだというので、避暑地だから余計にそうなんだろうなと思う。帰国は10月下旬予定。たしか今日からだったと思うが、マクドナルドで月見バーガーが販売開始だったと思うので、機会があれば食べてごらん、ぼくは普段マクドナルドで食事をすることはあまりないんだけど、月見バーガーだけは例外で大好きなんだよ、とプッシュしておいた。
 ケッタに乗って(…)に向かう。昼前とくらべてキャンパス内の混雑はだいぶ落ち着いたようす。途中で雨が降り出した。最初は無視してもかまわない程度だったのだが、途中からこれもし徒歩だったら絶対に傘を差すなというレベルにまでいきおいを増したので、うっとうしいことになったなァとげんなり。南門の外にある信号機はなぜか点滅状態だった。故障しているのかなと疑ったが、たぶん新入生が親御さんとともに大量にやってくる日ということもあり、ここの横断歩道を渡る人間の数が一時的に増加することを見越してあえて点滅状態に変更、歩行者とドライバーとおたがいに空気を読んで横断するなりなんなりしてくださいという方針になっているのだろうと推測したが、それにしてはかえって効率が悪くなっているんではないかという気がしないでもない。

 (…)で食パンを三袋購入したのち、第五食堂で打包。帰宅して食し、ひととき休憩しながらモーメンツをのぞいていると、三年生の(…)さんが自撮り写真を複数枚投稿していた。少数民族の衣装のような、アニメキャラのコスプレのような、あるいは単にエスニックテイストの私服のようなものを身につけており、めずらしいなと思ったというか少なくともこちらの知るかぎり彼女がこれまでモーメンツに自撮りを投稿したことはない、というかモーメンツになにかしら投稿すること自体はじめてではないかという感じで、実際、本人もそんな感じのことをコメントしていたがそれはともかく、投稿されている写真のなかの彼女の手首はきれいなままで、といっても手首の内側はすべてカメラにさられていなかったのでよく見えないのだが、少なくとも包帯は巻いていない。彼女とのやりとりによれば、かなり深く切ったという話だったし、けっこう痛々しいことになっているのではないかという気がしたのだが、そうでもないのだろうか、というかそもそもこちらが彼女からリストカットの報告があったとき、それがここ数日以内のできごとであると勝手に理解していたのだが、実際はそうではなくもっと以前のできごとだったりするのだろうか? よくわからん。しかしまあ、きれいに着飾ったうえで自撮りを投稿しようという気分になることができる程度にはもろもろ上向きになっているのだろうし、無責任な物言いになってしまうが、万事良好ということにしておきましょう。
 シャワーを浴び、ストレッチをし、「(…)」の添削にとりかかる。37人分の添削となるとやはりかなり時間がかかる。一年後には60人だ。正直これはけっこうめんどうだ。全員の添削を終えると22時半。しかしここから授業で紹介するおもしろ作文をピックアップする作業であったり、簡易の文集をこしらえたりする作業であったりが残っているので、やっぱり添削は一日仕事になる。
 途中、二年生の(…)さんから微信。明日の会話の授業ではどの教科書を使うのかというので、明日は初回であるのでゲームしかしないと告げる。(…)さんにもらった豆菓子を食い、プロテインを飲み、歯磨きをすませてからベッドに移動し、『小説の自由』(保坂和志)を続きを読んで就寝。