20230909

She was a good Christian woman with a large respect for religion, though she did not, of course, believe any of it was true.
(Flannery O’Connor “Greenleaf”)



 10時半起床。歯磨きしながらスマホでニュースをチェック。洗濯。トースト二枚を食し、コーヒーを飲みながら、きのうづけの記事の続きを書く。作業中は『Resistance & The Blessing』(world’s end girlfriend)を流す。wegの音源を流すのなんて何年ぶりだろう? 10年ではきかない気がする。記事を投稿し、ウェブ各所を巡回し、2022年9月9日づけの記事を読み返す。

 13時半から授業準備。「接続詞作文」の文集を作成する。途中、bottle waterをミニプログラムで注文。最近注文するたびに配達人がいちいち電話をかけてくるのがうっとうしいので、ブツは玄関の扉の前に置いておいてくれたらいい、配達時間も何時でもかまわないと、Deeplでこしらえた中国語の文章を注文画面のメッセージ欄に添付しておいたのだが、今回もやっぱり電話がかかってきた。しかも声色から察するに、前回、前々回と同様の配達人。たぶんおまえの部屋はどこにあるんだという質問だと思うのだが、マジでなんべんおなじことくりかえすねんとさすがに腹がたった。外教公寓の5階だというと、それはわかっているのだがうんぬんかんぬんというので、たぶんどの棟であるのかを知りたいと思うのだが、それくらい住所欄を確認すればわかるだろうし、中国語の不自由なこちらではなく管理人にきいてくれ、というか過去に何度も配達に来ているのだからいい加減覚えてくれという話だ。
 文集は16時半に完成した。ひととき休憩したのち、第五食堂に出かけるために外に出たのだが、寮の門前でインド人の外教とばったり遭遇した。HelloとHow are youだけでさっさと切り上げるつもりだったのだが、スマホをこちらに差し出しながら、これがどこにあるかわかるかというので、画面をのぞきこんだところ、菜鸟快递のアプリだった。荷物を回収しにいくところらしいが、アプリは当然すべて中国語表記であるので、目的の快递がどこであるのか彼には理解できないらしい。いちおう地図も表示されているのだが、彼は今学期うちに赴任してきたばかりであるので土地勘もない。住所を確認したところ、老校区の文字が認められたので、old campusにあるものだよ、old campusはわかる? とたずねると、わかるという返事があったので、18時には店が閉まるからというと、no problemという返事。
 第五食堂で打包。帰宅して食し、浴室でシャワーを浴び、ストレッチをする。二年生の(…)さんから微信が届く。短い動画。男性の顔を模した、手のひらサイズの、ひらべったいピルケースのようなものを手に握り、カタカタふっているもの。顔色は黄色く、あたまは黒く塗られ、めがねをかけている。おおきくひらかれた口の中には小さなレゴブロックのようなものが入っており、透明な板がその口をふさいでいる。彼女が手を動かすたびに、口の中のそのブロックがカタカタと音をたてる。これはだれをモデルにしたものかわかりますかというので、十中八九こちらだろうなと思いつつ、あたまの黒いところは髪の毛ですか? 帽子ですか? といちおうたずねると、帽子ですという返事があったので、じゃあぼくですねと答える。もちろん正解。「日本の石造粘土」でこしらえた「キーホルダー」だという。差し上げますというので、明日は教师节であるのでその関係かなと思う。もう四年くらい前になるだろうか、(…)さんからも木彫りのだるまみたいなやつにこちらの似顔絵を描いた小物をもらったことがあったのでその写真を送ると、「先生のひげはおさげに編んだんですか?」とある。当時はあごひげをヘアゴムでむすんで三つ編みみたいにしていたのだが、(…)さんの似顔絵もそのとおりになっていたのだ。(…)さんはその後、キーホルダーにもひげを追加した。火曜日の授業の際にこちらに手渡してくれるという。
 20時半から0時前まで「実弾(仮)」第四稿執筆。プラス15枚で計772/1040枚。シーン40、いちおうあたまからケツまで加筆修正を終えたが、ここは大切なので、もう一周チェックしたい。
 執筆中、(…)さんから微信。大学院の授業で記者会見の同時通訳の実践練習をする必要があるのだが、手ごろな記者会見の動画などないだろうかという。記者会見となるとどうしても政治的な内容のものが多くなるし、となると中国的にはアウトである可能性が高い。そもそもこちらは壁の内側にある動画サイトを利用することがほとんどないので、どこでどういう素材が手に入るのかもよく知らないし、まずはビリビリでもなんでもいいから中国国内の動画サイトでいろいろ検索してみればいいのではといったが、手ごろなものが見つからないという返事。スポーツ関係の記者会見であればいわゆる「敏感」な話題に触れずにすむだろうというと、ちょっとだけ見てみたけどはやくてついていけないというので、だったらほかでもおなじじゃないかなと思う。そもそもこの件についてはこちらにきくのがおかしい話であり、壁の内側でおなじような実践練習を経験している先輩であったり指導教官であったりにたずねたほうが理にかなっている。だからそう伝えた。
 「実弾(仮)」のタイトル、どうしたもんかなァとひとときあたまを悩ませた。以前なんとなく思いついた「瓦礫と和音」や「瓦礫もない町」ではやっぱりちょっと意味が強すぎるよな、小説全体が瓦礫=震災にひっぱられてしまうよなと思う。岩田宏の「神田神保町」から「おれはこの町をこわしたいと思い」をひっぱってくるのもありかなと一瞬思ったが、これはこれでやっぱり意味が強すぎる。うーん。
 (…)さんからもらった重慶土産の菓子を食い、プロテインを飲み、歯磨きをすませたところでベッドに移動。