20231126

A heavy dew had fallen. The grass was blue. Big drops hung on the bushes and just did not fall; the silvery, fluffy toi-toi was limp on its long stalks, and all the marigolds and the pinks in the bungalow gardens were bowed to the earth with wetness. Drenched were the cold fuchsias, round pearls of dew lay on the flat nasturtium leaves. It looked as though the sea had beaten up softly in the darkness, as though one immense wave had come rippling, rippling–how far? Perhaps if you had waked up in the middle of the night you might have seen a big fish flicking in at the window and gone again. . . .
(Katherine Mansfield, At the Bay)


  • 10時過ぎ起床。首の寝違えはよくなりつつある。しかし寝違えのせいで懸垂することができていないその副作用としての肩こりや背中の張りなどがぼちぼちしんどくなってきた。
  • カレーの残りとトーストを食す。きのうづけの記事を書いて投稿。ウェブ各所を巡回し、一年前と十年前の記事を読み返す。一年前の記事、すなわち、2022年11月26日づけの記事は以下のようにはじまる。ああそうか、この日だったのか、と思う。

 6時45分にアラームで起床。歯磨きしながらスマホでニュースをチェック。モーメンツで(…)さんや(…)さんがウルムチうんぬんと言及しているのになにかあったんだろうかと調べてみたところ、新疆のウルムチで火災が発生したものの、封鎖政策のせいで消防車を含む消火活動者が現場に近づくことができず、そのせいで子どもを含む10人が死亡することになったという情報が。また、これは確定情報かどうか不明であるが、敷地外に出ることができないように扉の外からロックがかけられていたせいで逃げ遅れて死んだ住人がいるみたいな話もあるらしく、結果、現地で大規模な抗議行動が行われている模様。新疆といえば、先日(…)先生から三ヶ月以上も封鎖政策が続いているという話を聞いたばかりだ。
 この件については、夜、あらためて情報を追ったのだが、新疆のみならず中国全土で批判運動が巻き起こっているようで、上海では共産党習近平をひきずりおろせ! というスローガンとともに街中に繰り出したデモ隊までいた様子。これはちょっとすさまじい、いまの中国でここまでまっすぐ当局を批判する人間がいるとは。ほか、微信のブログ機能でも若者らが、当局がなにかあるごとに使う「胜利」(勝利)という言葉を利用するかたちで、タイトルも本文もすべて「胜」で埋められた文章を発表したり、「胜」の代わりに「好」を使った同様に文章を発表したり、それらが検閲にひっかかったあとは、今度はすべてがスペースで埋められた文章を発表したりと、「唐山打人」以来となる動きをみせている。というか、今回は批判対象の中心にゼロコロナ政策があり、さらにそれをおしすすめる党=習近平がある分、男根主義的社会や地方政府とヤクザの癒着などが批判対象であった「唐山打人」とはちょっとスケールが異なる感じがする。そもそも中国全土あちこちで、ゼロコロナをめぐる突発的な衝突というのはこれまでにもしょっちゅう生じていたわけで(そういう動画は壁越えした中国人ユーザーらによってTwitter上でたくさんシェアされている、なかにはフェイクも混じっているだろうが)、それが今回この件をきっかけに爆発したというか、ちょっといやらしい言い方をすれば「大義」を得たという側面もあるのではないか。今後もっと燃え広がる可能性もなくはない。

  • ちなみに、この日オンラインでスピーチコンテストが開催された日でもある。しかるがゆえに記事もとても長くて読み応えがあるが、コロナ対策にかかわる分だけ抜粋する。

(…)午前中に(…)から通知があり、NATを受ける必要があるとのことだったが、スピーチコンテストの関係者である学生らは特例として全員(…)病院で検査を受けることになっているとのことだったので、こちらもArt Centerではなくそちらに同行することに。ちなみに(…)は毎回前夜に翌日のスケジュールを通知するわけだが、今朝通知が遅れた理由として、娘が喘息の発作に襲われたのだが、shut downのせいで病院に連れていくことができず、一晩中いろいろその対処をしていたのだという話があった。心底げんなりした。こういう小さな悲劇がこの国では無数に発生し続けているのだろう。濃厚接触者の強制隔離にしたって、幼児を家にひとりきりで置いていけというのかという母親の訴えを当局が無視したみたいな話も春頃の上海であったし、類似の例はおもてだっていないだけでやはり無数にあるのだろうし、本当にむちゃくちゃだ。

 建物の外に出る。地下道のほうに向かう。地下道の手前にある柵越しに裏町をのぞむことができるのだが、裏町の入り口に緑色の柵がたてられて中に入ることができないようになっていたので、マジか! いまあんなんなのか! とびっくりして写真に撮った。地下通路を抜けて外国語学院のほうに出る。赤いベストを装着したボランティアの学生たちがあちこちに突っ立っている。内緒で外に抜け出したり、外卖の受け取りをしたり、あるいはマスクを装着せず出歩いている人間がいないかどうかをチェックしているのだ。

  • 「実弾(仮)」第五稿。13時半過ぎから15時半過ぎまで。シーン5の最後、かなりいじくる。第五稿で決めるという気持ちでとりかかっているので、しっかり時間をかける。しかし難しい。元のままではやや尻切れトンボなのでいろいろ加筆するも、正解がいまひとつ見えてこない。
  • 「(…)」リミックスをあらためてチェックし部分的に修正する。
  • 広州の(…)さんから微信。高校の日本語教師の仕事が決まったという。しかし広東省のやや田舎のほうらしい。彼女としてはやはりふるさと深圳で仕事を見つけたい。そういうわけで今後も就職活動は続けるとのこと。
  • 夕飯は第五食堂。食後は30分仮眠。シャワーを浴びたのち、20時から21時までもういっちょう「実弾(仮)」。あたまが麻痺ったところで作業を中断し、『臨床社会学ならこう考える――生き延びるための理論と実践』(樫村愛子)の続き。最後まで。
  • 今日は『Casino』(Tape)をききかえしたが、収録曲の“Alioth”を流したとき、ちょっとWorld Standardの“潮と太陽と時間”を思い出した。どちらもかなり感傷的。しかしTapeはやはり『Rideau』が名盤すぎるので、ほかがどうしても見劣りしてしまう。