20230730

 正午過ぎ起床。(…)から微信が届いている。大学が提携先の銀行を変更した、その関係でもしかしたらなんらかのトラブルが生じるかもしれない、ひとまず7月分の給料がきちんとふりこまれているかどうか確認してほしい、と。それで確認した。問題なかった。ふりこまれていた。しかし額が8360元だった。これまでは7619元だったはずなのだが、740元ほど増えている。給料以外のなにかしらの手当込みなのかなと考えたが、思い当たる節がない。となると、(…)先生が言っていた、外教の給料が来学期からアップするという話は本当だったのかもしれない。といっても(…)先生が言っていたのは一気に10000元になるという話だったはずで、さすがにそれはないだろうと思いつつもひそかに期待していたわけだが、うーん、740元か。ちょっと期待しすぎた!
 階下におりる。歯磨きし、父が職場から持ち帰ってきたうなぎの寿司を食い、食後のコーヒーを飲みながらきのうづけの記事の続きを書いて投稿する。ウェブ各所を巡回し、2022年7月30日づけの記事を読み返す。2013年7月30日づけの記事も読み返し、「×××たちが塩の柱になるとき」に再掲する。(…)とさっそく揉めとる。

 今日づけの記事もここまで書くと時刻は15時だった。『野生の探偵たち』(ロベルト・ボラーニョ/柳原孝敦・松本健二訳)の下巻を最後まで読み進める。

(…)無限に無限を足すと、答えは無限だ。崇高に邪悪を足せば、答えは邪悪だ。違うかい?
(160)

(…)ひとりの人物がいて、森を歩き始める。たとえば私自身でもいい、私が森を歩いている、トラヤヌス帝公園でもトラヤヌス帝浴場でもいい、ただし野生の場所がいい、それほど伐採されていない森林だ。さてその人物が、私が森を歩いていると、五十万人のガリシア人が歩きながら泣いているのに出会う。そこで私は立ち止まり(優しい巨人、最後まで詮索好きな巨人)、彼らになぜ泣いているのかと尋ねる。するとガリシア人たちのひとりが立ち止まり、私に言う、道に迷ってしまって、私たちだけで取り残されているからですよ。
(190)

(…)それから天気の話を、季節の話をした、僕はそれがやがて懐かしくなるだろうと意見し、ノルマンはきっとすぐ忘れると断言した、(…)
(195)

 この三つ目のくだり、(…)くんのブログにもしエピグラフをつけるのだとすれば、けっこういいかもしれない。

 『震災日録――記憶を記録する』(森まゆみ)の続きを読む。夕飯は母親で買ってきた(…)の惣菜。いつもメシを担当している弟であるが、今日は(…)のところでうなぎパーティーがあるらしく、残ったこちらと両親はそれだったらもう惣菜ですませておこうとなったのだ。食後は(…)をのせてドライブ。いつものように(…)とそろって後部座席に座った母が、(…)の毛がシートにつかないように敷かれているシーツが濡れていると言い出した。(…)の小便がいつのまにか漏れていたのかもしれない、あるいは庭に干しているあいだに雨に打たれたのかもしれないとなったが、父がシーツを敷いたあとに大量のファブリーズをぶっかけたのが原因だった。その後、母は激怒した。たぶん最初にシーツが冷たいと言ったのを、父がそんなわけないとつっぱねたその言葉の中にアホだのなんだのいう単語が含まれており、かつ、ややきつい口調だったのだが原因だと思うのだが、全員が車に乗りこんだあとも、シーツが冷たくないというのであれば後ろの席に座ってみろ、運転は自分がするというようなことを、窓を閉め切った車内でキンキンに響くほどの声で何度も何度もしつこく口にしては運転席の父の肩をはたく、その調子がちょっと尋常でないふうだったので、最初のほうはうっとうしげにしており、かつ、キレかえすタイミングをうかがっていたようにみえた父も、これはまずいと思ったのか、途中で拳をひっこめた感じになった。助手席のこちらも口出しせず。いい年をしてこんなどうでもいいことで揉めてうっとうしいなという気持ち以上に、母の尋常でないキレ方にドン引きしてしまった格好。
 車は(…)公園に向かった。ひさしぶりのドライブということで、いつもと違う場所に(…)を連れていってやろうと父が考えた格好であったが、それが裏目に出たのか、(…)が途中でうんこを漏らした。ときどきそういうことがあるとは聞いていたが、こちらが同乗している現場で漏らしたのははじめて。(…)はつねに快便でありクソも健康きわまりない固形状であるので悲劇的な事態にはならなかったが、ケツからまろび出たものを一度後ろ足で踏んづけてしまったせいで、シーツが汚れてしまった。
 (…)公園にはトイレがある。ということは水が使える。そういうわけでトイレのそばにある駐車場に車を停めることにしたのだったが、駐車場はたいそう混雑していた、川遊びの客でいっぱいだった。ひとまず(…)をおろした。手の汚れた母はトイレにいった。(…)はいつもよりよく歩いた。両親曰く、(…)公園はいちばんのお気に入りで、ここではまだ意気揚々と歩こうとするらしい。うんこは当然しない。パッと見は日本人にしかみえない若い女の子がふたり、たぶん焚き火でもするつもりなのだろう、川原のほうに歩いていくのとすれちがったが、ふたりともネイティヴの英語をあやつっていた。あの子ら中国人? と母がいうので、いやフィリピン人やろ、バリバリ英語やったやんと応じると、このあたりは介護施設が多いのでそこで働いている外国の子たちがけっこういるのだと父がいった。
 シーツだけではなく後部座席のシートにも一部クソのかけらがひっついていたので濡らしたタオルでぬぐった。ぬぐったあとにファブリーズをかけておいてくれと父がこちらにいったが、家を出る直前まさにそのファブリーズで両親が口論になったばかりだったので、ファブリーズと口にするその調子が微妙に遠慮がちだった。帰りの車内では犬用のおむつを検索した。まだ寝たきりになったわけでもなし、大便も小便も外でする気力も体力もあるわけだから、とりあえず車でどこかに連れていくその最中に漏らしてしまうかもしれないその対策として、それほど本格的なものでなくていいから、できれば使い捨てではない布おむつのようなものはないだろうかと検索。うんこ用で使い捨てでないおむつというのは全然見つからなかったが、生理用のおむつはけっこうたくさんあり、とりあえずドライブ中に尻をカバーできれば問題ないということで三枚セットのものをポチることに(サイズは大型犬用)。それから散歩用のハーネスと一体型になった歩行補助具もやっぱりあったほうがいいんじゃないかと思って調べてみたが、大型犬用のものはやはりどれもこれも少ないし値段も二万円近くしたりする。現状ひとまず歩行はできているのであるし、これは必要ないかという結論になったが、いまのままのペースで衰えていくとなると、年内にはやはり購入することになるだろう。
 そういうわけで帰宅後におむつだけポチった。それからふたたび書見し、入浴し、また書見した。夜食は母のカツ丼の残り。今日は夕食後に仮眠をとっていなかったので、はやめに間借りの一室にあがることにして、日付が変わる前には歯磨きをしていたのだが、その最中に弟が帰宅した。
 部屋にあがり、書見したりだらだらしたりしているうちに、なんだかんだで就寝は3時ごろになった。