20230921

 隠喩にせよ、換喩にせよ、結局、シニフィアンの置き換え機能であるゆえに、現実的にはその区別をはっきりさせるのは困難な場合が多い。その本質的差異はシニフィエの次元においてはっきりする。換喩における結びつきはシニフィアンの間にすでに成立した関係をもとになされるため、新しい意味は生まれない。それに対し、隠喩では置き換えられる二つのシニフィアンの間に既成の関係は存在しない。
 その関係を保証するものは隠喩を創り出した者自身である。隠喩における意味(sens)のきらめきは、ここからやってくる。それは新しい意味の源泉であって、詩には欠かせないものである。詩人は、この新しい意味の創造によって詩人といえる。隠喩の成立には、〈他者〉の承認も必要だが、詩人は〈他者〉を承認させる力を持っている者なのだ。ただ、ここでは詩人が詩を創り出したという表現は正確ではない。すでに述べたように詩的創造は詩人本人も知らないところからやってくるのであり、逆にできあがった詩が詩人に詩人としての存在を与えるのである。詩人の能力とは、どこかからやってくる詩をうまくキャッチする技なのだ。
 (向井雅明『ラカン入門』より「第Ⅰ部第二章 言語構造」 p.76)



 6時45分でアラームで起床。朝一の授業、マジでやめてほしい。食パンがないので朝食はチーズクラッカー。きのうにひきつづき今日もかなり涼しいらしいのだが、教壇でしゃべっていたらどうせ暑くなるだろうと思い、エアリズムにペラペラの長袖シャツという格好で出たのだが、道中、なかなか肌寒かった。春秋物のパーカーでも十分だと思う。最高気温19度の小雨日和。
 南門を出て外国語学院のあるピドナ旧市街に行くために道路を横断する必要があるのだが、ふつうに赤信号なのに二台連続でこちらの目の前を横切っていく車があり、さらに三台目が続きかけたのだが、さすがにそいつはこちらの自転車の前輪にフロントをぶつけそうになって車を停めた。いまはあんまり目立つようなことをするべきじゃないとわかっているのだが、だいぶあたまにきたので、運転席に向けて、あぶねえやろ! と日本語で毒づいてしまった。まあ、これでも五、六年前にくらべたら、ずっと運転マナーはよくなったと思うが。
 8時から二年生の日語会話(三)。第23課。おおむね問題なし。途中ちょっと雑談しすぎてしまったが、用意した教材をすべて使い尽くすよりも、多少端折るかたちになっても雑談を要所ではさむほうが学生のウケもいいし、メリハリがつくし、こちらも楽しい。後半のアクティビティもけっこう楽しめたが、ちょっと難易度が高いかなと感じられる瞬間もあったので、そのあたりの反省点については帰宅後すぐにメモしておいた。これで一年後はさらに楽しめるだろう。一年後、まだ中国にいるのかどうかわからんが!
 今日は(…)くんも授業に出席していた。しかし続く基礎日本語の授業はスピーチを言い訳にしてサボるという。教室をあとにする。途中、三年生の教室に立ち寄り、目についた学生らとちょっとだけ雑談。よその学校から転入してきた学生が三人だか四人だかいるはずなのでチェック。女子三人。こんにちはとだけあいさつ。
 (…)くんからコーヒーに誘われる。コーヒーはいらないからメシを食いたいと答える。(…)くんもあさごはんをろくに食っていないらしい。それで第四食堂に向かうことに。道中、新入生らが軍服の上に半透明のレインコートを身につけて軍事訓練をしているのを見る。まるで幽霊のようだと(…)くんがいう。教官役の(…)くんの姿を(…)くんが見つける。彼とほかの教官役らが一列になって立っている、その彼らと向かいあうかたちで新入生が隊列を組んで直立不動しているという現場だったので、新入生の隊列の最後尾付近から(…)くんを笑わせるために変なダンスをした。(…)くん、やめろやめろみたいなジェスチャーを手元で軽くしてみせる。それで(…)くんが気づいたのだが、最前列では外国語学院のトップである(…)学院長を含む教員らが立っていて、ちょうど一席打っているところだった。幸い、お偉方にバカなダンスしているところを見られることはなかったが、(…)くんは(…)くんの手前、気まずい気まずいと口にした。二年生の男子といえば、これは来学期のことであるのか、あるいは三年生になってからの話であるのかわからないが、(…)くんと(…)くんと(…)くんの三人はすでにインターンシップの申し込みをすませたらしい。(…)くんはともかく、「污染水」の件があったにもかかわらず、(…)くんも(…)くんも動じないものなのだな。
 第四食堂の二階へ。(…)おすすめの「一品香」へ。牛肉とパクチーの料理がうまいと知らされていたのでそいつを白米の上にどかんとのせてもらったのを食ったのだが、ふつうにクソ辛かった。しかし(…)くんは全然辛くないという。(…)くんから新しい彼女の写真を見せてもらった。金髪セミロングでメイクもしっかりしている。ちょっと日本人の女子みたいですというので、言われてみればメイクがちょっと日本っぽいかもしれないと思った。英語学科の二年生。先日ポチったシャツがボチボチ快递に届いているはずなので淘宝のアプリをひらいたところ、突然、本人の身分証明書の確認が必要だみたいな画面が表示された。いきなり仕様がかわって本人確認をもとめられるということが、中国の(主にインフラと密接に関係した)アプリにはよくあるのだが、そういうのにかぎって外国人利用者に対応していなかったりする。つまり、本人確認の書類が必要だといいながら、実質もとめられているのは中国の身分証明カードの提出であり、そもそもそのカードをもっていない外国人はどうしようもないみたいなことがあったりするのだが(のちほど更新されて改善されることも当然ある)、今回もそういうめんどうくさいケースのように思われた。それでどうしたもんかなといろいろいじっていると、(…)くんがじぶんのIDを使えばいいという。いや、それで一時しのぎできるかもしれないけど、のちほどトラブルの種になるだけでしょ、特に外国人がからんでいるんだからといっても、問題ないとかだいじょうぶとかの一点張りで、クソ監視社会もうっとうしいが、そこで要求される身分証明を他人の名義でごまかすというけっこうやばい冒険をものすごくカジュアルにやろうとするその場しのぎのいい加減さがまかりとおっている社会もやっぱりうっとうしいよなと思った。いろいろいじっているうちに、外国人はパスポートの写真提出でも問題ないことがわかったので、彼の名義を借りるというめんどうくさいことはせずにすんだ。
 食堂ではものすごく背が高い女子学生を見かけた。たぶん185センチはあったと思う。それだけ身長が高いと当然ガタイそのものがよく、肩幅もこちらよりずっと広かった(だからといって太っているわけではない)。東北人だと思うと(…)くんはいった。
 食堂を出る。第四食堂のすぐそばにコーヒーショップがオープンしていることに昨夜気づいていたので、瑞幸咖啡まで出向くのもめんどうくさいということもあり、そこでコーヒーを打包することにした。COTTI COFFEE(库迪咖啡)というチェーン店で、(…)くん曰く、瑞幸咖啡と同じぐらい有名らしい。いまググってみたところ、「Luckin Coffeeの創業者であるCharles LuとJenny Qianによって設立された、中国の新興カフェチェーン「Cotti Coffee」は、アルゼンチン国家サッカーチームのグローバルスポンサーです。2022年10月の旗艦店の開業以来、5カ国以上の300都市に5,000以上の店舗を展開し、世界で五番目に大きなコーヒーブランドとなっています」という記述(https://www.atpress.ne.jp/news/367491)にいきあたり、そういえば店内にメッシのポスターがあったなと思い出すわけであるがそれはともかく、Luckin Coffee(瑞幸咖啡)の創業者が設立しているの? じゃあ、瑞幸咖啡と库迪咖啡は実質的におなじ会社みたいなものなの? と疑問に思ってさらにググってみたところ、「中国カフェ「Cotti Coffee」創業7カ月で3000店突破。因縁の「luckin Coffee」に挑戦」(https://36kr.jp/235619/)という記事のなかに、「庫迪咖啡は、カフェチェーン大手「瑞幸咖啡(luckin coffee)」の創業者で元会長の陸正耀氏が設立したブランドだ。20年4月に瑞幸咖啡の粉飾決算が発覚し、同氏は会長退任に追い込まれた。そして現在、同氏は新たに立ち上げたブランドで、古巣の瑞幸咖啡に戦いを挑もうとしている。庫迪咖啡は、瑞幸咖啡の商圏への出店や値引き戦略などで明らかな対決姿勢を見せており、その行方が議論の的となっている」とのことで、なるほどそういう経緯なのかとなった。ちなみに库迪の読み方はku4di2らしい。
 風もかなり強くなっていたし、(…)くんとはそこでお別れでよかったのだが、彼は寮までついてくるといった。いや、そうなると彼にあわせてこちらも自転車をひきながら移動しなければならず、小雨がふっている中、とっとと寮にもどることができないのはふつうにちょっとうっとうしいのだが、まあ好意を断るわけにはいかない。道中、アルジャーノンを知っているかと問われた。ダニエル・キイスの小説のことかとたずねると、彼の好きなバンドであるヨルシカに「アルジャーノン」という楽曲があるのだという。小説のほうは現在彼女が読んでいるというので、あれの翻訳がたしかいま寮にあったな、(…)さんの置き土産のなかにあった気がするというと、(…)くんは大興奮した。明日のスピーチ練習に持っていってやるよというと、いまからでもいいですかという。それで寮に来ることになった。(…)くんはめちゃくちゃテンションがあがっていた。前々からこちらの寮に来たかったのだという。
 管理人のところで名前だけ書かせてから五階の部屋にまねく。せまいけど日本風の部屋だというので、間取りも調度品もなにもかも中国風であるし、それに日本の場合ひとり暮らしでこの部屋であればけっこう広いほうだよと応じると、(…)くんはおどろいていた。『アルジャーノンに花束を』をさっそく渡す。ほか、(…)さんの置き土産のなかに網野善彦の文庫本が二冊ほどあったので、歴史好きの彼にはちょうどいいかもしれないと思い、宮崎駿はこのひとの著作から影響を受けているよ、いまのきみにはちょっとむずかしいかもしれないけどと伝えると、じゃあその二冊もくださいとなった。
 先生の部屋に学生は来たことがありますかというので、何度もあるよというと、何度も!? とやたらとおどろいてみせる。ぼくは何番目の学生ですかというので、出たよこの独占欲! と内心ひそかに思いながら、「100人から先は覚えていない!」と羅将ハンのような決め台詞を口走りそうになったが、さすがに100人は言い過ぎだ、しかし何人目と数えることができるほどひとの行き来のない部屋でもないので、そんなのわからない、これまでたくさん学生が来ているからと応じた。(…)くんはそのまま部屋に居座るを構えを見せはじめたが、こちらとしては彼の相手をそれ以上するつもりはなかったので、昼寝をするからといって追い出した。
 部屋がしずかになったところで洗濯機をまわし、库迪咖啡のうまくもまずくもないコーヒーを飲みながらベッドに横たわったが、昼寝できる感じがしなかったのでそのまま活動を継続することにし、きのうづけの記事の続きを書いて投稿。ウェブ各所を巡回し、今日づけの記事もここまで書いた。

 ひとつ書き忘れていたことがある。二年生の授業中に知ったことであるのだが、昨日、女子寮に「変態」が出たらしい。おっさんがトイレの窓をのぞいていたのだという。学生寮は、というかこちらの寮も同様であるのだが、浴室のなかにトイレがある造りになっているので、トイレをのぞいていたというより風呂をのぞいていたというほうが正確なのかもしれないが。風呂をのぞいていたというよりトイレをのぞいていたというほうがより「変態」な感じがするのは、やっぱりスカトロ趣味が連想されるからだろうか? スカトロといえば、(…)でバイトしていたころ、よりによってメイクとしてヘルプに入った日にかぎってスカトロ趣味の宿泊客が出て行った直後の部屋があり、おい、これも経験や、小説に書けるからええやんけ、と(…)さんになぐさめながら、冬にもかかわらず窓を全開にした部屋でマスクを装着しながら掃除した素敵な思い出がある。女子学生らは「変態」と言っていたが、(…)くんはたぶん泥棒だろうと推測していた。
 時刻は14時だった。一年前の記事と十年前の記事の読み返しはあとにまわすことにして、まずは「実弾(仮)」第四稿の続き。14時15分から着手したのだが、作業を開始してほどなくMacBook Airがフリーズした。Pagesでいつものようにカタカタしはじめてほどなくおかしくなったので、まあそういうことはときどきあるしと思って強制終了からのシャットダウンをいつものように行ったのであるけれども、いつもであればそれですべてが解決するはずがまたおなじようなことになってしまった。さらに再起動をしようとすると、画面にクエスチョンマークが表示されたまま進まなくなってしまい、なんじゃこれと思ってスマホでググってみたところ、特定のキーを押しながら電源をいれることでOS復旧モードみたいなアレに入ることができるとあって、で、そのとおりにして、ディスクユーティリティからFirstAidで問題があるあれやこれやを点検みたいなことをしたのだが、この点検にはけっこうな時間を要するようだったので、やたらとしつこい眠気に見舞われながらもそのあいだは書見して過ごした。
 で、そのあとどうなったのだったか? メモをとりそこねているのでちょっとあやふやであるのだが、一度でうまくいったのだったか、あるいはこの時点ですでにおなじ復旧対策を二度くりかえしたのだったか、いずれにせよ、時間こそかかったもののひとまずはうまくいったのだった。
 それでいつもよりはやい時間帯だったが、腹が減っていてしかたなかったので第五食堂に向かった。打包して帰宅し、食しながらYouTubeで適当な怪談を視聴していると、いよいよ物語の根幹にさしかかろうというタイミングでまた画面がフリーズした。ありとあらゆる現象を霊障として解釈するめでたいあたまをした連中であればこれは震えあがるところだろうなと思いつつ、こちらは別の意味でぞっとしていた。つまり、これはいよいよパソコンの寿命がきたのではないかと、この時点でようやくその本格的な可能性におもいいたったのだ。いや、すでに十年近く使い続けているわけであるし、そういうこともそう遠くない未来に起こるだろうという覚悟はあるにはあったのだが(そしてそのような事態が生じた場合にそなえて、こちらはわざわざ普段ほとんどまったく使うことのないiPadを数年前に買いもしたわけだったが)、しかしこんなに急におとずれるものか?
 それでもういちどOS復旧からFirstAidのコンボを決めた。しかし無駄だった。どういうタイミングだったか忘れたが、またフリーズしたのだ。それ以上の措置となると、OSの再インストールが必要となるようであるが、これにはちょっと抵抗があった。だからといってほかに方法もない。それでOSの再インストールをしようとしたのだが、容量不足でそれもできないと表示された。その場合はディスクユーティリティからまず手動でいまあるOSを削除してその後あらたにインストールというかたちになるみたいで、まあ、いわゆる初期化みたいなもんだと思うのだけれども、これはちょっとことが大きくなってきたなというわけで、兄に電話して意見をあおぐことにした。
 幸い電話はすぐにつながった。兄の見立てではおそらくハードディスクが逝ってしまっているのだろうとのこと。FirstAidであれこれしてよくならなかった場合、OSの再インストールをすることで問題が解決されることはあまりないという。現在使っているMacBook Airは2012年モデルで、OSも当然古くてとっくにサポートも切れているわけで、ハクられる可能性だって高いのだから、これを機に新調したほうがいいんではないかという。こちらもすでにその選択肢を視野に入れていた、いま購入するのであれば連休中にセッティングなどもろもろすませることができるし、授業に差し支えも出にくい、ある意味またとないタイミングではないかという計算があったのだ。MacBook Airのモニターは13インチと15インチの二種類あるという。いま使っているのは13インチだろうが、15インチのほうが目にはやさしいぞというので、でも持ち運びしやすいほうがいいんだよなと迷っていたところ、いま使っているモデルがそもそも11インチであることが判明、そういえばさっき部屋にやってきた(…)くんからもパソコンが小さいですねと驚かれたのだった。じゃあもう13インチのやつを買おうとなった。OSの再インストールはする。その結果、無事に使えるようになったところで、一度こういう状況に陥ったからにはおそらく寿命はそれほど長くない、だったらいまのうちに新品を買っておいて備えとしたほうが絶対にいい、そういう判断が働いたのだった。兄がいうには、最新モデルのひとつ前のモデルであれば二万か三万は安くなるというのだが、性能にかなり差があるしその後のサポートなども考慮すれば、最新モデルを買っておいたほうがいいというし、こちらとしても五万以上のひらきがあるのであれば話は別であるけれども、十年に一度に近い買い物であるのだから二、三万をしぶるところではないだろうというあたまがあった。
 通話を終えるころには、TimeMachineでのバックアップもとりおえていた。必要なテキストはクラウドに保存してあるし、さらに外付けのハードディスクにもzipにまとめて保存してある。授業で使用する書類と小説まわりの書類さえ無事であれば最悪あとはなんでもいい。それでOSを消去し、再インストールするという最後の試みに挑戦したわけだったが、ここでもなぜか一度失敗した。消去自体がうまくいかず、再起動して挑戦したところ今度はうまくいったのだが、なぜか再インストールできない。消去がすんだのであれば表示されるはずのディスクが再インストールの場で表示されない。これはまずい兆候であると事前にググった情報にあったので、あ、いよいよかな、と思った。それでまた再起動したところ、なぜか再インストールのプロセスが先に進んだらしく、地球儀のアイコンが表示されたのち、OSをインストールするためにWi-Fiが必要であるので使用可能なものを指定してくださいというプロセスになったのだけれど、なぜかうちの部屋のWi-Fiのみ表示されない。何度やりなおしてみても同じ。スマホタブレットのほうで確認するとWi-Fiは普通に生きている。それで、死んだな、と判断した。
 スマホアップルストアにアクセスして購入手続。日本版のアップルストアで購入しても国外配送には対応していない。それで中国版のアップルストアにアクセスする。円安の関係で中国で買ったほうがむしろお買い得だったりするのではないかとひそかに期待していたのだが、そんなことはなかった、日本では164800JPYであるが中国では8999RMBで、1RMB=20JPYと大雑把に計算すると180000JPYで、差し引き15000JPY割高ということになる。まあ、こればかりはしかたない。購入ページの中国語はそれほど難しくないし、字面でだいたい意味内容も判断できるのだが、デカい買い物であるしミスがあればマジで発狂ものであるので、日本版と中国版それぞれの販売ページを別々のタブでひらいて、ページや項目をひとつずつ対応させながら慎重に買い物をすすめるという天才的な手法でプロセスをすすめた。(…)にアップルストアがあるはずだし、わりとすぐに届くだろうと思っていたのだが、配送は29日予定とのことで中秋節の初日である。しかし連休前でマジで助かったかもしれない。連休後には一年生の授業がはじまるし、スピーチコンテストの練習時間も増えるし、単純計算で授業時間がこれまでの二倍になるのだ。そういうバタバタとせわしないなかで荷物を受け取り、設定など慣れないことをあれこれやるということを考えると、それだけイーッとなる。連休中にめんどうくさいあれこれをすませることができるのはありがたい。ま、むかしのパソコンなんかとはちがって、いまのパソコン、それもMacであれば設定なんてアホみたいに簡単に済むものなんだろうけれど。
 いや、でも問題がひとつあるのだった。VPNだ。現状スマホタブレットVPNは生きているのだが(タブレットのほうはアプリの更新を忘れていたせいで最初つながらず、かなりあせった!)、新調したパソコンのほうにそいつを組み込むための手続きがけっこうめんどうくさそうなのだ。まあなにかしら方法はあるだろうしそれほど心配はしていないのだが、それはそれとして、中国初入国後は保険もかねて二種類用意していたVPNも現状一種類しかないわけで、これを機会に、やはり保険用にもう一種類契約しておこうかなと思った。命綱やしな!
 その後のことは端折る。シャワーを浴びたり、出前一丁を食ったり、寝床で書見したり、あいかわらずやかましい上の部屋のバカに怒鳴り散らしたりしただけだ。