20240407

 作者体調不良により、本日の「アンゴルモアMの『ノストラダムスはなぜババヴァンガを殺さなかったか?』」第459回はお休みさせていただきます。ご了承ください。



 きのうづけの記事に書いたとおり、たぶん17時間ほど寝た。第五食堂で夕飯を打包したのが17時、それを食し終えて17時半、18時にはすでにぶっ倒れていたはずで、そこからちょいちょい覚醒をはさみつつ、最終的に活動を開始するにいたったのが昼の12時半であるわけだから、いや下手すりゃ18時間寝たことになるのか? なんでもええわ。風邪薬のおかげでずいぶん楽になった。とりあえず熱さえひいてくれれば通常どおり生活することはできる。つまり、読んだり書いたりできる。だったら問題ない。
 しかし体調を崩すたびに思うのだが、たぶん一度不安障害をわずらってしまったからだろう、あるいはそれ以前の自律神経失調症のキャリアも影響しているのかもしれないが、体調が悪化してうんうんうなされはじめるとほぼ同時に狂った認知回路が起動しはじめるというか、当時の鬱っ気が一気に吹き出してくるようなところがあり、あたまではそれがおなじみのバグでしかないことを理解しているのだが、だからといって太刀打ちできるわけでもない、というのもこれはそうした理解を可能にするそもそものあたまに刻印されてしまっている狂った回路のなす業であるからだ。
 で、そういう認知回路とは別に、これは体調不良時にかぎったことではない(しかし体調不良時にしばしば呼び起こされる)アレなのだが、仮にいま、ゲームの電源を切るみたいにしてじぶんの生をいっさいの苦痛なく終わらせることができたとして、そしてそのような機会はこの一度しかない、つまり、このタイミングでそのように終わらせることを逃してしまったらじぶんがどのような経緯で死ぬのか、そしてその死にはいかなる苦痛や苦しみがともなうことになるのか、そのようなコントロールができないとして(それはすなわちわれわれのノーマルな生にほかならないわけだが)、そのとき、じぶんはそのチャンスを必要ないとして追っ払うことが本当にできるのだろうか? 本当に本当にそういう機会があるとして、おれには必要ないよと即断することができるのだろうか? 鬱っ気も希死念慮もはるか遠くにある現在にあってなおそうすることはできないんではないか? そんなことをときどき考えもする。それでいて同時に、これはあたらしい小説を書いているときは常にそう、ということはすなわち365日たえまなくそうであるのだが、たとえばいまであれば「実弾(仮)」を脱稿するまでには絶対に死ぬわけにはいかないという怯えにも似た覚悟がある。そういう相反する力が平然と同居している。
 あと、これも苦しみながらちょっと考えていたのだが、40歳になったら日本にもどって、Jさんがかつてやっていたような夜勤のバイトをするのもいいかなと思った。精神障害のあるひとたちだったか知的障害のあるひとたちだったか、どっちか忘れてしまったけれどもそういうひとたちが寝泊まりしている施設の見回りの仕事で、休憩時間をふくんだ勤務時間がかなり長くて当時ですら一日出勤するだけで一万円以上は稼げていたはずだし、休憩時間中は当然本を読むこともできる。だからそういうところでまた週に二日か三日だけ働くという生活にたちかえるのもいいかなと思ったのだ。
 ただ、それとは別に、今後もし「実弾(仮)」みたいにモデルありきで小説を書くことがあるのだとすれば、一種「取材」のつもりであらたな仕事を探すのもいい。つまり、あたらしい小説でファミレスで皿洗いをする場面がどうしたって必要になる、だったら実際にファミレスでその小説が完成するまでのあいだはバイトする、で、脱稿したらまた次のモデル(=取材先)をもとめてバイト先を変更するという具合に生きるのも悪くないかなと思ったのだ。

 パンの残りを生のままかじり、風邪薬を飲み、また一時間ほど寝た。とにかく無限に寝ることができる。(…)大学の学生とのグループチャットでひさしぶりにやりとりが交わされていた。Mさんが行きつけの中華料理店の写真を投稿したのだ。
 寝床で『センスの哲学』(千葉雅也)の続きを読みすすめる。17時になったところで第五食堂へ。歩いていると重心がこころもとない。あたまもふらふらする。薬が切れてまた発熱しているのかもしれない。食欲はある。食後はまた数時間寝た。大谷翔平よりもじぶんのほうがよく寝ていると思う。いまパワプロをプレイしたらホームラン連発できるかもしれん。
 ひさしぶりにシャワーを浴びた。めちゃくちゃ気持ちよかった。明日はもう通常どおりに生活することができそうだ。カフェインの離脱症状に悩まされたくないのでコーヒーも飲んだ。痰がからんでしょっちゅう咳が出るので、咳止めシロップも飲みたいのだが、あれは風邪薬との併用はダメらしい。いや、薬の飲み合わせとかそんなもん気にするようなガラちゃうやろ、さんざん体に悪いもん服用してきたやんけと言われれば、ぐうの音も出んわけやが。
 そのあとのことはよくおぼえとらん。夜中にまたうなされて目が覚めるのを三度か四度くりかえした。途中しんどさのあまり吐きそうになる瞬間もあった。朝方パンをかじって風邪薬を服用したあとは人心地ついた。すやすやと熟睡。