20240917

(…)私は小供のうちから市にいる叔父の家へ始終遊びに行きました。ただ行くばかりでなく、よこそこに泊りました。そうしてこの従妹とはその時分から親しかったのです。あなたもご承知でしょう、兄妹の間に恋の成立した例のないのを。私はこの公認された事実を勝手に敷衍しているかも知れないが、始終接触して親しくなり過ぎた男女の間には、恋に必要な刺戟の起る清新な感じが失われてしまうように考えています。香をかぎ得るのは、香を焚き出した瞬間に限るごとく、酒を味わうのは、酒を飲み始めた刹那にあるごとく、恋の衝動にもこういう際どい一点が、時間の上に存在しているとしか思われないのです。一度平気でそこを通り抜けたら、馴れれば馴れるほど、親しみが増すだけで、恋の神経はだんだん麻痺して来るだけです。私はそう考え直しても、この従妹を妻にする気にはなれませんでした。
夏目漱石『こころ』)



 10時起床。朝昼兼用のメシとしてK先生にもらった菓子を食う。起き抜けから背中が痛くてたまらないわけだが、やっぱりこれデスクワーク由来なんではないかというアレがあったので、今日から懸垂を再開することにした。といっても依然気胸の可能性もあるわけだから、息切れするほどのハードワークは避けなければならない。そういうわけで、日常生活の隙間時間に、息切れしない程度の回数、連続5回ほどの懸垂をちょくちょくはさむというやり方で様子見することに。来週になっても改善しないようであれば、国慶節入りしてしまう前にK先生に同行をたのみ、病院で検査してこようと思う。
 きのうづけの記事の続きを書いて投稿し、ウェブ各所を巡回し、1年前と10年前の記事を読み返す。スピーチ練習はどうなっているのだろうかと思ってC.N先生に連絡をとってみたところ、こちらの担当曜日は水曜日と木曜日の二日間に決まったという。どちらも朝から夕方までぶっ通しでやることになるわけだが、正直かなりきつい。

 13時半から16時まで作文。「実弾(仮)」第六稿。シーン38の難所をクリアし、シーン39もそのいきおいのまま片付ける。作業BGMは『NONAGE』(LI YILEI)と『Tag Eins Tag Zwei』(F.S.Blumm & Nils Frahm)と『Music For Wobbling Music Versus Gravity』(F.S.Blumm & Nils Frahm)と『The Zoo Is Far』(Christian Wallumrød Ensemble)と『Rhetorical Islands』(Giuseppe Ielasi)。
 作業中、スピーチメンバーのグループでやりとり。明日からはじまる練習について午前は8時30分から11時30分まで、午後は14時から17時まででかまわないかと確認。午前中の通常授業が終わるのは11時40分であるが、それより10分はやく終えることによって、食堂なり裏町なりが混雑するまえに昼食をとることができるという寸法。C.N先生から国慶節の予定についてもたずねられたが、Mさんが荷物を引き取りにくるとは言っているものの、いつになるかは未定であるので適当に時間割を組んでくださいと返信。結果、来月5日(土)と6日(日)を終日担当することになったのだが、5日はワシ誕生日やで……。C.Kさんからはスピーチ練習期間中も高級日本語と日本概況の授業のみ出席することになるかもしれないと連絡。S.Sくんからは電車のチケットがとれなかったので大学にもどるのは明後日になると連絡。
 スピーチ用の原稿をまとめて印刷したのち、第五食堂で打包。食後、C.N先生から月餅を寮まで持っていきますよと連絡があったが、明日外国語学院で手渡してくれたらいいと返信。今日は中秋節当日なのに月見をしなくてもいいんですかというので、恋人でもいればそういう夜を過ごすのもいいかもしれないですが独身貴族なのでと応じる。
 仮眠をとり、シャワーを浴び、日語会話(三)23課と25課をつめなおす。

 モーメンツをのぞくと学生らが中秋節をお祝いする投稿をたくさんしており、やっぱり中国人にとって特別な一日なんだなと思う。そういうわけで、というわけでもなくふつうに前々からそうするつもりだったのだが、K先生に以前いただいた月餅を夜食として食った。毎回思うのであるが、別にうまいもんではない。そういえば、昨日、S.Sさんがこの夏休み中に一個80元だったか50元だったかする高級な月餅を食べたと言っていた。