20130322

 けれどもこの栄光と光明との発作から、マルシアルは自分がかつて栄光を持った、栄光を所有しているのだという揺るがし難い確信を保ち続けた。人々が彼を認めるか、認めないか、それはほとんど問題にならない。彼はこのことに関してベルクソン氏の「精神的エネルギー」についての本の一節を好んで引用する。「ひとが讃辞や名誉に執着するのは自分が成功したという確信が持てない、まさにその度合に応じてのことである。虚栄心の根底には謙遜があるのだ。自分を安心させるためにこそ、賛意を求めるのだし、自己の作品のたぶん不十分かも知れぬ生命力を支えるためにこそ人々の熱烈な崇拝でそれを取り巻いてやりたいのだ、ちょうど早生児を綿でくるむようにして。だが生きる力を持った永続しうる作品を生み出したことを確信する、絶対的に確信する人、その人はもはや讃辞などどうでもよく、栄光を超越していると感ずるのだ、なぜなら自分が栄光を持っていると知っているからだし、彼が感じている歓喜は神にも似た歓喜だからである。」マルシアルはたしかに他にも本を書いているが、しかしそれは最初の作品より優れたものを作るためではない、絶対というものにおいて進歩はないのだし、彼は一挙に栄光の絶対を手にしたからだ。それら新しい著作の数々はせいぜい、無知で遅れている大衆が最初の本を読んでその光輝を見てとる助けになるだけだろう。
ミシェル・フーコー豊崎光一・訳『レーモン・ルーセル』よりピエール・ジャネ「恍惚の心理的諸特徴」)



1時起床。隣人の引っ越し作業の物音で目が覚める。どうせならもう少し早く起してほしかった。きのう一日中悩まされた鼻づまりが解消している。やはり24時間自室待機の効果は抜群である。今日も今日とて自室待機。読書に打ち込む。夕刻図書館におもむき返却&貸し出し。生鮮館にて買い物。筋トレ&夕食。耳鼻科で診察。飲み薬を朝晩の二度に増やしてもらい点鼻薬を処方してもらう。入浴。のちふたたび読書。『狂気の構造』を読み終え『知の論理』を読み始める。これもやはりまた(…)さんに譲渡してもらった一冊である。その(…)さんから運転代行のバイトを始めた、しかし給料が足りないのでほかにもっと怪しい仕事をするかもしれないというメールが届いていた。今日で断筆三日目であるが、明日明後日と出勤日であることを考えれば、事実上五日間にわたることになる。これだけ離れればいい加減麻痺も解けるだろう。