2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

20130531

「お母さんが心配していたよ。うまくいったかね。」 「ええ、大丈夫、ローリー!」といって、彼女は兄の腕をとり、からだをすりよせた。 「ね、泣いているんじゃないの?」と兄はたずねた。 ローラは首をふった――しかし、泣いていた。 ローリーは妹の肩に腕…

20130530

「いってらっしゃい、スタンリー」とベリルは優しく快活に叫んだ。いってらっしゃい、なんて言うぐらいたやすいことだ! そして、そこに彼女は突っ立っている、呑気そうに、片手をかざして日を除けながら。なんともいまいましいことながら、体裁上、スタンリ…

20130529

パーサ・ヤングは三十にもなるが、まだときおりこんな気持におさわれるときがある、歩いていずに走りたくなったり、舗道の上でダンスのステップを踏んでみたくなったり、輪まわしをころがしてみたくなったり、なにかを宙にほうりあげてそれを受けとめてみた…

20130528

「人生がとてもいやなの」と彼女はつぶやく、しかし彼女は人生がいやだなどと少しも感じていない。 (キャサリン・マンスフィールド/崎山正毅・伊沢龍雄・訳「風が吹く」) 12時起床。昨夜は結局7時前まで起きて色々と調べものをしていた。ケツ穴のかゆみで…

20130527

その時間はごく自然で断絶することがなく、日常の中を無色透明に、無意識的に流れていた。その時間が何時からか変色し、透明なものと不透明なものとに分れ、永遠の破片としての燃え上がる瞬間と無意味な忘却としての冷たい流れとの二種類に分類された。その…

20130526

――私はね、時々こういう埒もないことを考えるんです。人生というのは、地面に穴を掘って、そしてそれを埋めることじゃないかってね。若い時には、一心不乱に、目的も何も分からずに、せっせと掘って行く。自分の廻りに掘った土が堆く積み重なる。そして何処…

20130525

本というものは、彼の知らないことは書いてあるが、彼の知りたいことは書いてないのだ。 (福永武彦「退屈な少年」) 7時前起床。8時より12時間の奴隷労働。(…)さん出張のため不在。汗をかいたところに冷房をあてられて腹をくだしたらしい(…)さんがトイ…

20130524

その遺書は短かった。 私はもう疲れてしまった。つまらぬことは忘れて、ぐっすり眠りたいと思う。私は色んなことをして来たが、どれも失敗した。また、誰をも不幸にしただけだった。安ちゃんが幸福な結婚をして、幸福に暮すことを祈っている。 秀が一緒に行…

20130523

過去の記憶というものは、そこに中心をなす事件があれば、後からその事件に与えた解釈に従って都合よく整頓されてしまうものだ。従って必ずしもその当時の、事実の得られた順序を追って、現実の持つもどかしげな、不確かな、不鮮明な印象のままに、今も形づ…

20130522

しかし、賽は投げられた。行け。早く。私に残された少しばかりの悪が私を裏切らないうちに。 (福永武彦「未来都市」) 12時すぎ起床。腐れ大寝坊。(…)さんからの電話でめざめる。夕方から(…)さん宅でバーベキューをすることになっているということは要…

20130521

――わたしは、もし一つの作品がただ一人の人にしか共感を与えないとしても、その一人が本当に感動するのなら、それも許されると思うんですの。 (福永武彦「未来都市」) 12時半起床。引き戸が修理されている。こちらがねむっている間に顔もしらない大工が合…

20130520

シカシオ前ハ決シテ獣ニハナレナイダロウ、無益ナ夜ノ他ニハ。 (福永武彦「影の部分」) 14時起床。腐れ大寝坊。長々とブログを記して16時半。20時半まで発音練習&瞬間英作文。買い出し。夕食。玄関の引き戸が完全にいかれてしまったので大家さんに報告す…

20130519

(…)今日の特徴は、宗教運動が経済活動のかたちをとったり、経済活動が宗教運動の外皮をまとったりしていて、その境界が甚だ不明瞭になっていることである。考えてみると、経済活動そのものが工業から情報産業にその重点を移動し、モノから情報へという流れ…

20130517

古く貝原益軒の『養生訓』以来、〈健康を守る〉方法さえも、この国ではひとつの禁欲と求道の体系となった観があります。生花・舞踏・音曲・体育といった本来なら日常性から逃避し〈あそび〉の世界のなかに人間の生体防禦反応を解消させてしまう方法であるは…

20130517

A・ワッツが指摘するように、ヴェーダ、ヒンドゥイズム、あるいは、仏教及び道教のごとき東洋の思想・宗派は、西欧キリスト教圏のそれとははなはだ異なったものであって、キリスト教=ユダヤ教圏における信仰が人間の本性、運命および啓示に基づく実世界につ…

20130516

宗教病理の場合、これが意味するところは、ある人がある状況で他人には見えない神仏が見えたり、あるいはそれに語りかけたり、または自分には神のお告げがあり、あるいは自分には特別の宗教的使命を与えられていると感じるという体験をした場合、この体験は…

20130515

(…)紀元前五世紀ごろのスキティア(古代ロシア)の農民たちは大麻の葉を火にくべて煙によって陶酔していたらしいことはヘロドトスの記述にもあるそうだし、インドの文化ではヴェーダの時代から、「天国への案内者」「貧者の天国」「悲しみの慰め」とよばれ…

20130514

(…)真の「喪」とは――仮にそのような呼び方が妥当だとすればだが――死者の存在を想起=内化する主体の能力に存するのではなく, まったく逆に, 死者に生起した死を想起=内化せぬ記憶の非 - 能力に存するのだ. 自然死という慰めの外部で歴史の暴力によって犠牲…

20130513

昼前起床。午前中にいちど保険屋から電話があって起きたが無視して二度寝した。歯磨きをするために外に出るともわっとする熱気とかんかんの日射しで、さすが最高気温30℃の真夏日である。強すぎる日射しのあまり景物のひとつひとつがはんぶん光で飛んでしまっ…

20130512

6時45分起床。起き抜けに鼻をかんだところものすごく粘度の高い青洟がたくさん出たのでびっくり。8時より12時間の奴隷労働。先日にひきつづき声がガラガラにかれまくっている。率直にいって業務にさしさわりの出るレベルである。変声期でもこんなに声の嗄れ…

20130511

6時45分起床。8時より12時間の奴隷労働。のはずが出勤途中、車にはねられた。運転手(初老の男性)が車から降りてくるなり自転車に乗ったこちらが横断歩道から少しはみだしていただとか警察は抜きにして示談にしようだとかこちらの身体を気遣うそぶりもなけ…

20130510

(…)翻訳という行為は, たしかにいっけんすでに存在する二つの言語体系のあいだで双方を俯瞰しつつ行なわれる操作であるかにも見える. しかし, それは観念論的な錯覚なのだ. そうではなく, 実際には翻訳の実践こそが二つの言語体系を分節化するのであり, 自…

20130509

何よりもまず警戒しなければならないのは, こうした「他なる女性」あるいは「非 - 場」としての女性を, フェティッシュ化してしまうことの危険性である. 「男/女」という階層秩序的二項対立にとってのこの非 - 対称的外部は, あくまでも運動として, あるい…

20130508

ぼくらはしばしば, こういうレーヴィなど数少ない「生存者」の証言に接すると, 決して謙遜ではなく正直な気持ちで, 「自分ならとても生き残れないだろう」と思わず呟いてしまうのではないだろうか. しかしそれは, 「謙遜」どころか, むしろ場合によってはと…

20130507

たとえば, 1997年8月1日に48歳で死刑執行された永山則夫が, 獄中生活のなかで獄外の言葉, 市民社会の膨大な言葉を「習得」し, それを堰を切ったように夥しい文字として書き連ねたとき, 確かに彼は, それまでは不可能だったある種の「自己表現」をなしえたに…

20130506

12時起床。起き抜けにいきなり戸をバンバンと叩く音がして猛烈にイラっとくる。強く叩きすぎだ。部屋の壁(ベニヤ板)がガタガタと震えて神経にさわる音をたてている。戸を開けると案の定乳母車に赤飯をのせた大家さんがいる。食い物を持ってきてくれるのは…

20130505

6時起床。前夜の快眠のおかげで体調良好。ひさしくないレベルの絶好調である。前日分のブログを記したのち出勤。8時より12時間の奴隷労働。朝礼「おはようございます!愛を知らないラブホテルスタッフこと(…)です!」。昼休み中、(…)さんがパソコンに向…

20130504

夢。弟と解体現場を歩いている。もうひとりふたり匿名的な人物がいたようであるがはっきりしない。それらの人物が弟とそう親しくないということは彼らの姿が消え去るなり弟の口がなめらかになったことからも明らかである。弟はつい先日、就職面接を終えたば…

20130503

7時前起床。8時より12時間の奴隷労働。朝礼「おはようございます!働かざるもの食うべからず!(…)です!」。超絶ヒマ(GWの日中というのは毎年そうらしい)なのに加えて(…)さんが夕方から出勤するという偶然が重なったおかげでひさしぶりにちょこちょこ…

20130502

11時半起床。洗濯機をまわしクソ長いブログを書く。13時半より瞬間的に英作文しつづけて21時前。途中でちょっと寄り道しすぎた。生鮮館はすでに閉店時間なのでフレスコに買い物に出かける。手袋が欲しくなるくらいの寒さ。指先が白く凍てついて痛い。財布の…